第20話 子どもの受験
一部で隣の市にある公立と私立の中高一貫校への受験をしたり
県庁所在地の有名中高一貫校への受験をする子がいる。
だいたいおうちがお金持ちでその家を継ぐとかいう子が多い。
医師・歯科医師・地元企業のご子息。
小学校高学年でそこそこ成績が良いとなると、周りが
「中学受験するの?」と切り込んでくるようになる。
よそ者代表な我が家もしつこく訊かれたものだ。
実際のところは、全く受験予定はなかった。
受験するのなら、小学校中学年あたりで塾へやるし
本気なら引っ越しもするだろう。
受験しないよと返答しても納得がいかなかったのか
担任に詰める保護者までいて、プライバシーって何なのだろう?と
思ったものだった。
別に他人に何も言わずに受験しても罪じゃないだろう。
高校受験も学年や性別が違っても把握したがる保護者は多い。
その先の大学受験も。既に違う高校に通っていて、交流がなくても。
子どもが大学受験の年にのん気に年賀ハガキを買いに
最寄りの郵便局へ出かけてそういう知りたがりさんに遭遇してしまう。
「ねえ、あなたの子はどこを受けるの?」と直球ど真ん中。
その人を避けているので、遭遇したのも数年ぶりなのに。
「そういうことって他人に言わないものじゃないですか。
それじゃ、失礼しますね。」
とさっと離れる私。
その人の子がどこを受けてどうしているのか知らない。
興味もない。それなのになぜこちらが言うと思っている?
「今言わないのなら、また訊かせて~!!!」と
後ろで叫んでいた。
すべての知り合いのすべてのことを知らないと死んじゃう病気なのかなと
少し面白くなって、一人になってから車の中で笑った。
案の定、他の知り合いから、
「あの人、他の子たちがどこの大学へ行ったか知りたがって
みんなに避けられているのよ。」と後日聞いた。
うちのないことないこと噂を流していた保護者と仲良く
ランチをしているんだそうだ。
類は友を呼ぶって本当だなあとまた笑ってしまった。
そんなに親類でもない友人でもない家庭のことって気になるものか?
私は全然気にならない。
どこを受験してどこの学校に行って、どこに就職してなんか
興味がないからきいても忘れてしまう。
田舎では珍獣みたいだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます