第13話 子どもはどうなのだ

お小遣いを貰っても自分の足で買いにいけるお店などなく

親の運転で親の選んだお店へ送迎してもらって、親の監視下で

好きなものをようやく買う。


友達で集まってわいわいと新しいお店に入って買うなんてことは

田舎ではないのだ。


映画もそう。映画館がない。

大ヒットしている洋画なんかは隣の市の小さい映画館でも

そのうちやってくれるが、マニア受けするとかそういうのは

絶対に県庁所在地まで行かないとみることができない。


博物館美術館もない。

たまたま特別展かなんかでカルチャーショックを受けて

その道に入るなんてことが起こりづらい。


スポーツは熱心だが、プロスポーツを間近で見る機会もない。


田舎で子どもを複数育ててみて思ったのは、親のコピーになるのも

仕方ないなあということ。

どこへ行くのも親頼みになるので、親の嗜好がそのまま子どもに影響する。


街だと見せたくないと思っているものも勝手に見られる。

そして勝手に経験していたりする。

そういうことが田舎じゃないから、親も責任重大なのだ。


あら、あなたそんな趣味あったっけ?みたいな話がまず出ない。


これは意外と怖いことで、普通に受け入れてしまうと

本当に親と変わらぬ子どもになってしまうから、

新しいいろいろな情報を入れてやらないとならない。


キミの世界は無限だよ~と言うために、見せていかないと

田舎の中で無気力に立ちすくんでしまいそうで。


もちろん田舎で精力的に楽しく働ける人もいる。

そうなれるのならそれでいいのだが、それも難しいことなので

とりあえずはいろいろな方向のドアを開けて見せてやるのだ。




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