第14話 運転

30代で車の、40代でバイクの免許を取得して

田舎道を走っているのであるが、常に警戒モードなので

技術的に私の運転は上手くはないと思う。


まったくエンジンがついたモノを運転できない期間が

長かったこともあって、若い頃からばんばん運転してきた層とは

運転に対する気持ちが違うと感じている。


体調が今一つという時は運転はしないし、前をトロトロと

走っていてもそこまで腹は立たない。

田舎だから日に焼けた高齢者マークを貼った車も多いから。

しっかり車間距離をとって、安全運転を心がけている。


自分のうちの庭のように急に道路で急停止して

見かけた友達と話し込む車もいる。


ウインカーを出さずに曲がる車を見るなんてこともざら。


逆ハンドルを切って膨らんで曲がるということもするから

対向車と事故寸前なんてこともよく見る。


高齢者の免許を返納せよという話はよく出てくるが

買い物や病院に行くために持ち続けている人も多く

日中は本当に危ない。

事故になっていないのは、周りの車が避けてくれているからという

そういう現実も見てほしい。


とある病院の待合で、連れてきた親の免許の返納について

子世代が話し合っていた。

近居の娘が「私が買い物や病院に連れていくから、返納を」と言い、

遠くに住んでいるらしい息子が「今のままでいいじゃん。便利だろうし」と。


田舎はバスも走っていないし、タクシーも使い辛い。

近居の子に頼れない高齢者なんかは、街に住む子に引き取られていくか

そのまま危ない運転を続けて田舎で暮らし続けるかである。


日焼けた高齢者マークを貼って、四隅がぼこぼこに削られている車から

離れた場所に私はそっと車を停める。

足も不自由になっていたりして、できるだけ店舗に近い駐車場に

高齢者は車を入れようとして、他の人や車にぶつけたりするから。


難しいことに怪しい運転している人が第一次産業を担っていたりするから

年齢でばっさり切るのも違うのだろうなと思う。

田舎の暮らしだけでなく、日本の食文化を支えているのが、意外と

高齢の人たちが多かったりという。


せめてしっかりとした運転支援システムがついた車に乗っておくれよと願う。


うちの親がこちらに遊びにきた際に、杖をつかないと歩けないような

よぼよぼのおじいさんが車に乗って出かけていったのを見てしまい

ショックを受けていたな。田舎あるある。

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