第3話 平成の田舎暮らし

路線バスのバス停に行ってみれば、本数の少なさに驚愕し

駅でもこれだけしか電車が走っていないのかと呆然とし

田舎というのはこういうものなのかと学習していく。


車の免許を取っておくべきだったなあと反省はすれど

教習所が近くになく、なんだか取得意欲も後退していった。


夫婦仲良くドライブがてら数日おきに買い出しに行くのが

楽しかったからではある。


生協にも加入して、共同購入のグループに入れてもらい

週一回のまとめ買いをベースにすれば、それほど不便にも

思わなくなっていった。


自治会の人や宅配業者の人たちは、私がいちいち玄関に

鍵をかけることに文句を言っていた。

大学時代は親元離れて一人暮らしをしていたこともあり、

玄関に入ったら鍵をかけるのが習慣化していたので

防犯的にはそれで良かったのだが。

宅配業者によっては、玄関に鍵がかかっている時点で

在宅でないと判断して帰ってしまうこともあった。

在宅しているのだからチャイムを鳴らしてほしいとお願いすると

鍵をかけている方が悪いと怒られることさえあった。


令和の今はさすがにチャイムを鳴らして、しばらく待ってくれる。


これまで住んできた実家や大学のあった日本とは違う日本に

来たのだなあと感じていた。

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