第4話 家族が増える

のん気に二人で暮らしていて、初めてのお正月を迎えたあたりから

だんだんと体調が悪くなってきた。


豪雪地帯である田舎。

室内も屋外も寒く、雪かきも必要となったせいで

元々体力自慢でもない人間だったから、

疲労や風邪かなあと夫が出勤している時間に

昼寝などしながら様子を見ていた。

一度病院にも連れて行ってもらい

「妊娠している可能性もあるから、薬はそのように」と言われ

そこで初めて意識したのだった。


お米が炊き上がるニオイなどにも耐えられなくなってきて

ようやく妊娠検査薬を買い、あの赤い線を見た。


やっぱりなあという思いと、大変なことになったなという思いと

自分の中でぐるぐるして、その波にのみこまれているうちに

夫が私がかかる病院を選び、いつ頃連れていくのかも決めていた。


病院は車で30分ほどの所。

夫が休みの土曜に出産まで通うことになった。

里帰り出産でなく、そこで子どもを産んだ。


退院後、自宅に子どもを連れて帰って、自宅で夫婦でお寿司を食べた。

お寿司は自宅には配達してもらえず、注文して取りに行き、食べたら翌日に

桶を返してくれという田舎スタイル。


夫の優しさと気遣いに胸は温かくなったが、街と比べて便利ではないんだなあと

実感していくのだった。

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