第46話 拠点拡張

 異世界組に食事を持っていくと、後で話があると言われたので、従魔の街に食事を届けた後に、異世界に戻ってきた。


「話があるって、どうしたの?」


「あぁ、手紙が来てさ……」


「わっちにも手紙が届いたんですが……」


「何かあったの?」


「内容としては、リンと同じ様なもんだったら、あたしが話すよ。どうも、戦場が荒れてるみたいなんだよ。その余波が村まで迫ってきているから、村を放棄して、親戚縁者のもとに向かうことに村長が決めたって書かれてのさ」


「そうなんだ。それで?」


「そのさ、こんなお願いするのは心苦しいんだけど、ここに呼んでやってもいいかい?」


「わっちの家族もお願いしたいんです」


「いいよ。何人くらいになる?」


「い、いいのかい!? ありがとう旦那様……」


「あ、ありがとうございます……」


 2人が涙を流しながらお礼を言ってきた。

 そんなに大したことしてないけどなぁ。


「ほらほら、泣かないで。何人くるの?」


「あ、あたしのほうは、6人だよ」


「わっちのほうは、5人です」


「そのくらいなら、この村でも十分だね。畑の拡張と家の修理をしなきゃね。あと、その家族は安全にここまで来れそう?」


「それは大丈夫だよ。狼人族は身体能力が高いから、安全な山の中とかを抜けてこれるはずさ。あと家の修理は終わってるよ」


「わっちの家族は領内の移動ですから、大丈夫ですよ」


「了解。家の修理もありがとうね。なら、ここの場所と手紙書いてね。すぐギルドにお願いしてくるからさ」


 2人からお礼を言われ、また泣いてしまいそうだったので、ほらほら手紙を書いて、と促した。


 俺は、2人の手紙を預かり、港町のギルドにお願いしてきた。 

 村に戻ってくると、3人は畑の拡張作業をしていた。


 お願いしてきたことを伝えると、急に片膝をついて、土下座しそうな勢いだったので、2人を立たせて、土を払ってあげた。


「フィオナ、リン、もう俺達は家族のようなものなんだから、そんなに気にしないで。どうしてもって言うならハグしてもらおうかな?」


 俺としては、軽い冗談で言ったつもりだったのだが、フィオナがガバッと抱きついてきて、ありがとうと囁き、最後に軽く口づけをしてきた。


 予想外なことが起きた俺は、そのまま固まってしまったが、続けてリンも同じようにお礼と口づけをしてきた。


 2人ともこれじゃ足りないくらいの恩を感じていて、自分達がお礼に渡せるのは身体だけだと言ってきた。


「出来れば、フィオナとリンの身体じゃなくて、心を貰いたいな。だからこの先も、ずっと一緒にいて欲しい。それが俺に対する恩返しってことで、これからもよろしく」


「な、なんだか求婚されたみたいで恥ずかしいね」


「そうですね。わっちの死んだ夫より情熱的な求婚されてしまいましたわぁ」


 2人とも頬が赤い。

 確かにプロポーズみたいになっちゃったかもしれないな。

 そうと分かると、俺も赤くなってしまっているだろう。


「ん“ん”」


 アンナの咳払いで、作業中だったのを思い出したのか、2人は作業に戻っていった。

 入れ替わりに、アンナがやってきて、私はもとより、シゲオ様に身も心も捧げておりますので、忘れないでくださいねっと言って、唇を奪われた。


 そして、微笑んで作業に戻っていくアンナ。

 耳、赤くなってるぞー。

 ま、俺なんて顔まで真っ赤だろうけどさ。


 俺は、ダンジョン組を呼んてきて、拠点の整備を開始した。

 桜は、食事や休憩の用意をしてくれて、トワさんはましろのお世話、俺とせっちゃんとラズで、防壁の改良を考えた。


「この拠点の防壁ってどうすればいいんだろ?」


「そうですね……城壁魔法という城壁をあっという間に造り出せる魔法があるという知識はありますが、伝説の類ですね」


「ん? ならあるんじゃないかな? ちょっとダンジョン戻ろうか」


 ダンジョン組に声をかけて、ダンジョンに戻り、スキルを検索する。


 ありました。

 50,000と高いけど、買えるね。


 俺は城壁魔法を購入して、異世界へ。


 ダンジョン組は魔法を使うところを見学するようだ。


 港町へ続くほうから、作業を開始する。

 城壁魔法を発動すると、高さ10メートル、厚さ5メートル、長さ100メートルの城壁が地面から現れた。

 しかし、門がない。

 城壁に手を当てて、門のイメージをしながら、魔法を発動すると、城壁の一部がアーチ状にくり抜かれた。

 魔法便利だなぁ。

 あとで、木の扉つけなきゃかな?


 そのまま、俺は、城壁を造りだしていく。

 ちょっと広めに、すこし森の中まで入った所まで城壁で囲んで行った。


 拠点の周囲を囲い終えたので、トワさんとせっちゃんと俺で、城壁周りの木を切っていく。

 城壁側に倒れそうなものは、トワさんに拘束してもらい、宙にあるうちに収納した。


 休憩を挟みつつ、夕方には、外から見れば城塞、中は廃村という拠点が完成した。


「ふぅ……あとは畑を広げれば十分かな」


「これは、家族がきたら驚くだろうね……」


「そうですね。わっちらも驚いてしもて、開いた口が塞がらなかったほどですからね」


「さすがシゲオ様でございます!」


 概ね好評ということで、明日からもこちらで作業しようとみんなと話して、夕食を食べた。

 今日は、ソーツカツ丼だった。

 温かいご飯の上に、ソースが染みたしんなりキャベツ、ほんのり甘いソースを潜らせたトンカツ。チューブのカラシもありました。

 みんなも、美味しそうに食べている。 

 桜、美味すぎ! ありがとう!

 

 



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現在の主人公装備一覧


初心者の剣

初心者の木の盾

ウエットスーツ一式


(アダマンタイトで強化された)

短剣

長剣

カイトシールド

コンポジットボウ

ハーフプレートメイル

アームガード

グリーブ

ウルフマント

リザードマンの皮手袋

スノーシュー

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スキル一覧


テイム

体術

短剣術

長剣術 

盾術 

弓術

魔力

魔力操作  

魔力向上 

上級回復魔法

(回復魔法には、解毒などの魔法も含む)

生活魔法

補助魔法

城壁魔法

身体強化

腕力上昇 

脚力上昇 

体力向上 

回避補正

鷹の目

鑑定

錬金術

収納

矢弾作成

水中行動

気配察知

異世界言語

冷寒耐性

熱暑耐性

ダンジョン帰還

遮音結界

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持ち物一覧


若返りの薬

チェーンソー

アダマンタイト両手剣

アダマンタイト槍

アダマンタイトタワーシールド

アダマンタイトの腕輪

ガーネットとミスリルのネックレス

隠者のローブ

ツルハシ 3本

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設備一覧

内装 ロッジ風

初心者物干しセット

鍛治設備一式

小さな個室

トイレ

脱衣所付き風呂場(洗濯機、洗面台は脱衣所)

冷蔵庫

キッチン設備一式

大きな座卓一式

配信用カメラ

ブルーレイ対応液晶テレビ

畑 リンゴ、桜の木

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従魔一覧


ヴァルキリー風ゴーレム(せっちゃん)

念話、食事

ドワーフ(ラズ)

鍛治能力向上

リリス(トワさん)

拘束魔法、拘束魔法強化

ヴァンパイア(桜)

異空間収納、料理

エルフ(アルビノ)(ましろ)

アンナ 赤髪ロング (異世界奴隷)

フィオナ 狼人族

リン 狐人族 シロとクロ

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城壁魔法 Dポイント 50,000

食材等 Dポイント 600

残 Dポイント 95,405

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