第44話 畑とリンゴ
次の日、みんなと一緒に異世界組と朝食を食べた。
拠点の整備も整ってきたので、じゃがいも、トマト、小麦を育てようと思う。
シロとクロもこちらで活躍して、鹿や猪、ボアを狩って来ているらしい。
異世界組は、皮をなめしたり、肉を塩漬けにして、干し肉を作ったりしてくれていた。
近いうちに、港町に売りにいってこよう。
拠点の確認をした俺は、桜の作ってくれたシチューを持って従魔の街へ。
宿へ向かうと管理者さんだけだったので、リリス達が了承すればという前提で、BARの提案をしておいた。3人のリリスがいて、お話ししてお酒をゆっくり飲むようなイメージ。
キャバクラやクラブ、ガールズバーみたいな感じではなく、おしゃれなジャズバーの路線で、お触りした者は、強制500Dポイント徴収し各自の部屋にリスポーンする案も出しておく。
お帰りの際は、徴収なしで、ハグか握手かリリス達が選んで送り出すようにすれば、リリス達も吸収出来るし、客も気に入られてハグしてもらうために節度を保ってお酒を楽しむのではないかと伝えておく。
管理者さんはリリスに伝えておきますと言ってくれたので、俺はシチューを温めに向かった。
温め終わったので、調理場にあった美味しそうなパンとシチューを配っていく。
昨日畑を手伝ってくれたエルフやリリスも手伝ってくれた。
少しづつ笑顔が増えている気がする。
みんなが食事を食べている時に、俺は、畑へと向かった。
昨日植えたのに、もう収穫できるまでに育っていた。
宿へ戻り、従魔達にそのことを話し、好きに食べていいよと伝えておく。
手伝ってくれた子達にも、感謝を伝えた。
調理場に行き、調味料を借りていく。
食後に、昨日手伝ってくれたエルフとリリスと一緒に畑へ行く。
エルフ達は、ラディッシュや二十日大根を収穫して、水魔法で洗って食べ始めた。
美味しく育ったようだ。
せっかくなので、味噌と砂糖とマヨネーズを混ぜたソースをつけて俺も食べてみる。
瑞々しくて、美味しい。
エルフもリリスもソースに視線が集まっていたので渡してみた。
あと、味噌とマヨネーズも。
そのままでも良いけど、ソースとかつけると美味しいよね。
それぞれ好みの味を見つけたようでなにより。
調理場にあるからねと伝えておく。
甘い野菜果物も、収穫出来るようになっている。
イチゴは大きく甘くて美味い。
イチゴ狩りが出来そうだと思ったので、エルフとリリスを呼んでみんなで食べていた。
みんな初めて食べるようで、驚きながらも美味しい美味しいと笑顔で話していた。
その光景を離れたところで見ていた犬人族と猫人族のような子達がいたので手招いてみた。
恐る恐る近づいて来てくれた。
そこからはエルフやリリス達が世話をしてくれて、美味しそうに食べていた。
俺は、マンゴー、スイカ、メロン、バナナを収穫し、調理場で食べやすいようにカットしたり切り込みを入れて、畑から見える桜の公園へ向かった。
公園には、テーブルや椅子もあったので、そこへ準備したものを並べた。
イチゴを食べていた子達を呼んで、食べてもらう。
こちらも初めて食べるものらしく、和気藹々と食べていた。
そうすると、またこちらを伺う子が出てきたので、手招きして呼ぶと、エルフやリリスが世話をしてくれた。
みんなに、好きに育てて、好きに食べていいからねと伝えて、管理者さんには、みんなから育てたい物のリクエストが来たら、苗や種を渡してあげてくださいと伝え、俺はダンジョンへと戻った。
「マスター、おかえりなさい」
「ただいま、ふぅ……向こうも少しづつ笑顔になれる子が増えてきたよ」
「それは良かったです!」
「あ、そうだ。こっちでも果物やハーブ育てようか。育ったら好きな時に食べていいからさ」
「わぁ! それは楽しみですね!」
ラズの反応に微笑みながら、ショップで、全環境適応の畑と桜の木やリンゴの木、従魔の街に植えた果物野菜の苗、各種ハーブを購入した。
購入すると、部屋の壁に新たに扉が出来た。
ノートパソコンには畑のアプリがインストールされ、配置をいじれるようだ。
良い感じになるように配置して、作業着を着て畑に向かった。
中に入ると、快晴の空が広がり、畑以外は芝生になっていた。
桜の木は、入り口から畑を挟んで正面に配置した。
満開の桜だ。
リンゴは畑から少し離れた右に配置。
赤い実が成っている。
俺は、そのまま苗や種を植えていく。
植え終わったころに、桜とラズが水を持って来てくれたので、それを撒いて終了。
桜もラズも、満開の桜に見惚れていた。
近いうちにお花見しようかな。
俺は、リンゴを人数分収穫し、桜とラズに声をかけて部屋に戻った。
キッチンに向かい、リンゴを切って塩水に軽くつけて水を切り、お皿に乗せて、みんなに渡す。
「これは、俺いた世界のリンゴだともう。食べてみようか」
蜜がたっぷり入ったリンゴを齧る。
シャクっと良い音がして、口一杯にリンゴの風味と果汁が広かった。
うん、美味しい。
みんなも美味しいと言って、あっという間に食べ終わってしまった。
これからは、成っていたら自由に食べてねと言って異世界組の元へ。
丁度休憩中だったのか、家にいたので、リンゴを渡して食べて貰った。
みんな無言になって夢中で食べている。
このリンゴ、酸味はほとんどなくて、とても甘いからな。
女の子は甘味が好きなのはこっちも変わらないようで。
いち早く食べ終わったアンナが真剣な顔をして声をかけてきた。
「シゲオ様、このリンゴなる果物はどこで手に入れたのですか?」
「向こうで畑を作って、そこに植えてあるんだよ」
「そうでございますか……シゲオ様、私をテイムしてください」
「えッ!?」
「私は、このリンゴに神を見ました。私は、このリンゴのためならば、悪魔にでも魂を売り渡しましょう!」
アンナ、もともとアップリンが好物だったね。
なんかテンションが振り切って暴走してる感じだ。
「落ち着いてアンナ。リンゴに神様はいないんじゃないかな? あるとすれば、農家さんの努力の結晶だと思うよ。あとその言い方だと俺が悪魔になってるよね?」
「そうでございます! 私の愛してやまないアップリンを超えるこの世界に存在しないはずのリンゴの存在を教えてくださった。まさに悪魔の所業でございます!」
「そんなに好きだったの!?」
「アンナ落ち着きな。あたしの分も食べて良いからさ」
「わっちの分もどうぞ」
「あなた達が神か?」
「アンナが壊れた……ま、そこまで好きだったなんて知らなかったよ。こっちで育つかわからないけど、苗木を持ってくるよ」
俺がそういうと、アンナが愛してますシゲオ様と言って抱きついてきた。
これには、俺もフィオナもリンも苦笑いだった。
その後、リンゴの苗木を買って持ってくると、アンナが畑のど真ん中に植えようとして一波乱あったが、家の近くの方が木の成長がよく見えるし、実がなったらすぐに取りに行けることを話し、なんとか収まった。
植え終わった後、アンナはリンゴの苗木を愛おしそうに眺めていた。
それを見ながら、フィオナとリンに、エルフの奴隷がいるか確認した。
東にも少数のエルフがいるようだが、隠れ住んでいることが多いため、そうそう奴隷になることはないと教えてくれた。
そうなると、ダンジョン攻略進めて、テイムする方が早いかもな。
色々落ち着いたら、ドンドン攻略して、植物の世話をしてもらうためにテイムしよう。
夕食の時間になりダンジョン組も合流する頃には、ようやくアンナが落ち着いたが、今日あったことを揶揄われて、両手で顔を覆い、真っ赤になっていた。
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現在の主人公装備一覧
初心者の剣
初心者の木の盾
ウエットスーツ一式
ミスリルの短剣
ミスリルの剣
ミスリルのカイトシールド
ミスリルコンポジットボウ
ミスリルハーフプレートメイル
ミスリルアームガード
ミスリルグリーブ
ウルフマント
リザードマンの皮手袋
スノーシュー
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スキル一覧
テイム
体術
短剣術
長剣術
盾術
弓術
魔力
魔力操作
魔力向上
上級回復魔法
(回復魔法には、解毒などの魔法も含む)
生活魔法
補助魔法
身体強化
腕力上昇
脚力上昇
体力向上
回避補正
鷹の目
鑑定
錬金術
収納
矢弾作成
水中行動
気配察知
異世界言語
冷寒耐性
熱暑耐性
ダンジョン帰還
遮音結界
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持ち物一覧
若返りの薬
チェーンソー
ミスリルの両手剣
ミスリルの槍
ミスリルタワーシールド
ミスリルの腕輪
ガーネットとミスリルのネックレス
隠者のローブ
ツルハシ 3本
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設備一覧
内装 ロッジ風
初心者物干しセット
鍛治設備一式
小さな個室
トイレ
脱衣所付き風呂場(洗濯機、洗面台は脱衣所)
冷蔵庫
キッチン設備一式
大きな座卓一式
配信用カメラ
ブルーレイ対応液晶テレビ
畑 リンゴ、桜の木
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従魔一覧
ヴァルキリー風ゴーレム(せっちゃん)
念話、食事
ドワーフ(ラズ)
鍛治能力向上
リリス(トワさん)
拘束魔法、拘束魔法強化
ヴァンパイア(桜)
異空間収納、料理
アンナ 赤髪ロング (異世界奴隷)
フィオナ 狼人族
リン 狐人族 シロとクロ
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畑関係等 Dポイント 20,000
食材等 Dポイント 500
残 Dポイント 46,005
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