第38話 拠点警備強化

 朝、俺は異世界組に朝食と作業着と下着類を持って行った。


「みんなおはよー。よく眠れた?」


「シゲオ様、おはようございます。良いお布団でぐっすり眠れました。ありがとうございます」


「それなら良かった。はい、これ3人の朝食ね」


「おぉ! 美味そうだ! 旦那様ありがとう。でもさぁ、こんな良い布団くれたんだ、昨日の夜は来てくれると思ってたんだがなぁ」


「えぇ、わっちも準備しておりましたのに」


「やっぱりババアじゃダメなのかねぇ?」


 リンは口元を袖で隠し、フィオナはニヤニヤ俺を見てくる。


「いやいや、みんな十分魅力的だよ。溺れてしまいたくなるくらいにはね。でも、トワさんと桜がいるから、案外そっちは満足しちゃうんだよね」


「リリスとヴァンパイアで満足って、旦那様は剛毅だな。普通なら死んじまうよ」


「あはは、そうそう死んでる死んでる」


 3人とも何故か、口をあけて唖然としている。


「ん? どうしたの?」


「シゲオ様、じょ、冗談ですよね?」


「そ、そりゃそうだろう。だったら目の前の旦那様は幽霊ってことになっちまうよ」


「わっちも、そう思います」


「あぁ、そうか。向こうの世界では死んでも生き返るんだよ。だから、いくらでも何を吸われても大丈夫なんだ」


「そやかて、従魔に身を捧げんでも……」


「いや、そこは需要と供給が噛み合ってるからさ。桜の吸血は気持ちいいし、トワさんに触れるには死ぬしかないしさ。ははは」


 3人が集まりコソコソ話している。

 変態とかそっちの趣味がとか……。

 聞こえてるぞー。

 断じて、そっちの趣味はない! ないったらない! はず……。


 俺はわざとらしい咳払いを挟み軌道修正する。


「ま、いつかはお願いするかもしれないけど、今はこの拠点を整備する方が重要なので、何か必要なものがあったら言ってくれ」


「そうは言ってもさ、良い食事も良い寝床もあるし、奴隷として、余生を過ごすには十分すぎる環境だよ」


「わっちも、もう人族の変態に買われてあんなことやこんなことされて人生終わるんやろうなって……」


「だよな? ま、変態は間違ってなかったがな、あはは!」


「ちょ、ちょっとフィオナさん! シゲオ様の前で、そんなこと……」


「ま、まぁ、完全に否定しきれない俺もいるから大丈夫大丈夫……。あ! そうだ、寿命の件だけどさ、伸ばしてもいい?」


「ん? そんなこと出来るわけないだろ? ま、あたしは後20年くらいは旦那様の側にいてやれるよ?」


「わっちも、あと40年は、主様と共におりますよ?」


「あぁ、そうか。奴隷生活が長引いたら辛いか。奴隷から解放してもいいだけどね。俺としては長く一緒にいてもらいたいんだよね」


「例え奴隷でなくなったとしても、シゲオ様との生活は夢のようでございます。恩もございますので、解放されたとしても私は一生お仕えいたしますよ?」


「こんなババアを買ってくれたんだ、あたしとリンも解放されたとしても奉公するよ」


 微笑み頷くリン。


「うーん、例えば若返るとしたらどうかな?」


「そりゃ若い頃に戻れるなら、戻りたいもんだね。ガキどもを育てるのにいっぱい乳を吸われちまって、張りがなくなっちまったからね」


 両腕で持ち上げるフィオナ。

 大きんだよね。アンナよりは確実にあるんだよ。

 それはリンも同じな訳で。

 決して、胸の大きさで選んだ訳では(以下略


「じゃあ、とりあえず若返ろうか。それでここに居るのが嫌になったら、奴隷契約中でも言ってくれれば解放して自由にしてもらっていいからさ。2人はもし若返るなら、どれくらい若返りたい?」


「夢のある話だねぇ。そうさね……あたしはガキどもを産む前、20代の頃が1番良い身体してたと思うから、その頃かねぇ」


「わっちも同じくらいですね」


「今2人は、80歳くらいってことでいいかな?」


「そうだね。最近じゃ数えるのもやになっちまったから、そのくらいのはずだよ」


 リンも頷いている。


 それなら、1本で10歳だから、12本か。

 多いけど、今の俺達なら余裕だろう。

 トワさんは、同族が現れる可能性があるから連れて行かないけど。

 同族を倒すのトワさんが大丈夫でも、俺がなんか嫌だからね。


「了解だよ。まぁ夢物語だと思って待っててよ。あと、この村の守りの薄さも気になるんだよね。誰かテイム持ってない?」


「それならわっちが使えますよ」


「テイムした魔物って誰かにあげたり出来るのかな?」


「出来ますよ。手順としては、まずテイマーと従魔の両方が承諾すると解放出来ます。その後、引き継ぐテイマーがその従魔に認められてテイムすれば、譲り渡すことが出来ますよ」


「なるほどね。ウルフでもいれば十分警戒にはなるかな?」


「そうですね、十分だと思いますよ。アンナはんもフィオナはんもわっちも戦えますから」


「了解。じゃあ、しばらく待っててもらうかな。これ、作業着と地下足袋ね。専用の靴下もあるから使ってみてね。あと下着も。タンクトップとパンツ……尻尾大丈夫かな?」


「おーこんな上品な下着履いたことないよ。どれ……」


 フィオナはガバっと着物を脱ぎ全裸になった。


 あぁ確かに熟女系のお胸様だね。

 子供のためにいっぱい頑張ったお胸様だ。


「うん、この下着なら尻尾までいかないから大丈夫だね……もっとよく見るかい?」


 ニヤニヤしながらパンイチで髪をかき上げながら近寄ってくるフィオナ。

 リンもフィオナも美人なんだよなぁ。

 美魔女ってやつだな。

 フィオナは、銀髪のボサボサロング。

 リンは、金髪ストレートセミロング。


 そりゃ反応しちゃうよね。どこがとは言わないが。


「襲いたくなるくらいに魅力的なお誘いだね」


「こんなババアにそんな冗談……って訳でもないようだね。な、なんだかあたしが恥ずかしくなっちまったよ!」


 胸を隠し、慌てて着物を拾うフィオナ。

 その羞恥心、大変良い!


「言ったでしょ? 十分魅力的だって。ま、着れるなら良かったよ。サイズとか問題あったらまた言ってね。じゃあ、拠点の整備や庭や畑は任せるね。必要そうな道具は土間に置いておくから。でも、程々に休みながらやってね」


 なぜか自分の胸を触っているアンナ、袖で口を隠すリン、赤い顔のフィオナから返事を貰い、道具類を置いてダンジョンへ戻った。


 トワさーーーーー(以下略



「さて、今日ですが、ウルフとブラックウルフをテイムして、その後若返りの薬を取りに行きます。インキュバスやミノタウロスの魔石はそのウルフ達にあげて少しでも強化して、リンに譲り向こうの防衛を強化します。せっちゃんと桜には申し訳ないけど、よろしくね」


『問題ありません。承知しました』


「うちもいいよ。さっき血も貰えたし……えへへ」


「ありがとう。トワさんには、ウルフのテイムだけ手伝ってもらうね。あとはこっちでゆっくりしててね」


「それだけでいいのぉ? わかったわぁ」


「よし! じゃあ準備できたら行こうか」


 それから、俺達はそれぞれ準備して、まずはテイムに向かった。


 ウルフとブラックウルフのテイムはサクッと終わり、シロとクロと名付けた。

 安直最高!

 次に、5階層へ俺とせっちゃんと桜で向かい、こちらもサクサク倒していく。

 走りながら矢を放ち、止まることなく槍で貫いて、ドロップ品は桜が走りながら回収する、その後ろを必死で着いてくるシロとクロ。

 ボスも脳天を槍で貫かれサクッと光へ。

 次の階層から部屋に戻り、回収した魔石をシロとクロへ。

 もりもり食べなさい。


 8回ほど繰り返すと、若返りの薬が十分に集まった。


 従魔アプリで、シロとクロを確認すると▼が出ていたのでクリック。

 

 2匹とも進化だね。


 シロ

『グレートウルフ』

『シルバーウルフ』


クロ

『ダークウルフ』

『シャドウウルフ』


 ここでシロとクロに話をする。

 異世界で拠点の警備をしてもらいたい事、リンに再度テイムしてもらう事を話すと、素直に頷いてくれた。

 ええ子やぁ、モフモフモフモフ。

 2匹に確認しながら進化先を選んだ。

 シロはシルバーウルフに、クロはダークウルフに進化した。


 夕食の時間になったので、みんなで拠点に向かう。

 もちろん向かう前に、10回以上はリスポーンした。


 シロとクロを見た異世界組は、ひぃっと声をあげるアンナ、唖然とするフィオナ、袖で口を隠すも顔が引き攣っているリン、という反応だった。

 そんな存在なの? シロとクロ可愛いのにねぇ、おーよしよし、モフモフモフモフ。


 そんな引き攣った顔をして、及び腰のリン。

 今にも逃げ出しそうだったので、俺はリンの腰を抱え、シロとクロの前へ。

 ギュッとし過ぎたのか、リンの頬が赤い。

 ま、引き攣った顔ではなくなったので良しとしよう。


 シロとクロに話をして、まずはテイムを解除。

 すると目の前に、【双方の承諾を得たのでテイムを解除します】と表示された。

 リンに頷き合図をすると、テイムを発動した。

 シロとクロが薄っすら光った。

 リンをみると、頷いてくれたので、これで大丈夫だろう。


 シロとクロを、撫でて、これからよろしくなと声をかけておいた。

 2匹とも、ウォンッと答えてくれた。

 ええ子やぁ(略


 リンの様子をみると、頬を赤くして、ぽーっとしている。

 どうしたんだろ? ま、いいか。


 その後、みんなで夕食を食べた。

 シロとクロには、オーク肉がまだあったので、桜が焼いてくれたオーク肉を食べていた。


 最後に、若返りの薬を6本ずつ、フィオナとリンに渡す。

 半信半疑ながらも、6本飲んだ2人。

 お腹タプタプじゃない?

 え? そう。大丈夫ならいいんだけどね。


 異世界組におやすみを言ってダンジョンに戻る。

 うん、シロもクロも向こうに残ったね。

 巨大なアックスが8本もあるので、6本は売却。

 2本あれば俺とせっちゃんで向こうの木を伐採するのに使う予定。

 身体強化したら十分使えるようになったからね。


 こうして、俺達は就寝した。



——————————————

現在の主人公装備一覧


初心者の剣

初心者の木の盾

ウエットスーツ一式


ミスリルの短剣

ミスリルの剣

ミスリルのカイトシールド

ミスリルコンポジットボウ

ミスリルハーフプレートメイル

ミスリルアームガード

ミスリルグリーブ

ウルフマント

リザードマンの皮手袋

スノーシュー

—————————————

スキル一覧


テイム

体術

短剣術

長剣術 

盾術 

弓術

魔力

魔力操作  

魔力向上 

上級回復魔法

(回復魔法には、解毒などの魔法も含む)

生活魔法

補助魔法

身体強化

腕力上昇 

脚力上昇 

体力向上 

回避補正

鷹の目

鑑定

錬金術

収納

矢弾作成

水中行動

気配察知

異世界言語

冷寒耐性

熱暑耐性

ダンジョン帰還

遮音結界

————————————

持ち物一覧


若返りの薬

チェーンソー

ミスリルの両手剣

ミスリルの槍

ミスリルタワーシールド

ミスリルの腕輪

ガーネットとミスリルのネックレス

隠者のローブ

ツルハシ 3本

—————————————

設備一覧

内装 ロッジ風

初心者物干しセット

鍛治設備一式

小さな個室

トイレ

脱衣所付き風呂場(洗濯機、洗面台は脱衣所)

冷蔵庫

キッチン設備一式

大きな座卓一式

配信用カメラ

ブルーレイ対応液晶テレビ

——————————————

従魔一覧


ヴァルキリー風ゴーレム(せっちゃん)

念話、食事

ドワーフ(ラズ)

鍛治能力向上

リリス(トワさん)

拘束魔法、拘束魔法強化

ヴァンパイア(桜)

異空間収納、料理


アンナ 赤髪ロング (異世界奴隷)

フィオナ 狼人族

リン 狐人族 シロとクロ

——————————————

獲得Dポイント +12,000

アックス 6本 +6,000

作業着、食材等 Dポイント 7,800

残 Dポイント 51,415

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る