第30話 強化と進化

 今日は、ゆっくりしていた時に見た配信が気になっている。


 その配信は、『俺のゴブリンが進化して可愛すぎ』というタイトルだった。


 え? 進化なんてあるの? と俺は思い、その配信を確認した。


 配信者は、男性で、2階層で変わったゴブリンをテイムしたそうだ。

 そのゴブリンは、他のゴブリンと違って、胸にも毛皮を纏っていたため、テイムしてみたらしい。


 部屋に戻り、下の毛皮をめくってみたら、アレが付いていないことが判明し、雌だと判明。

 その後は、食事を共にし、仲良く過ごしていたようだ。

 6階層で念願のエルフ♀をテイム出来て、ハメを外した行動を連日とっていたらしい。

 数日後そろそろダンジョンにと、ゴブリンとエルフを連れて向かった時のこと、魔物を倒して、魔石がドロップした時に、ゴブリンが魔石を欲しがった。

 数日間も、ほったらかしにした罪悪感から、魔石を好きなだけ与えていたらしい。


 ある日、何気なく従魔アプリを起動したところ、ゴブリンの欄に▼のマークが出ていたことに気付く。

 ▼をクリックすると、【進化先を選んでください】と表示され、いくつか進化先が表示され、ゴブリンが望んだ進化先を選んだ。

 その後も、配信者は進化先が気になり、魔石をドンドンあげて進化させていったところ、なんと鬼人になったという。

 画面に映る元ゴブリンは、角が生えた美人の巨乳さんになって、毎日ハッピーライフを送っていると、デュフフと笑いながら話していた。


 おいおい、うちはせっちゃんと桜にかなり魔石あげてましたが? となって、すぐに従魔アプリをクリックした。


 そしたらなんと、全員の名前の横に▼が出ているじゃありませんか!


 まずは、初期メンバーのせっちゃんのをクリックすると、【追加機能を選択してください】と表示された。


 あれ? 進化じゃない? と思ったが、その機能一覧を見てみると


『丈夫さ向上』

『魔力向上』

『念話』

『食事』


 が、表示された。


 せっちゃんを呼んて、どれが良い? と聞くと、悩んだ末に『食事』を指差したので、それを選択した。

 すると、まだ▼が表示されていて、もう1つ選べるようだ。

 さっきの選択以外に『コア複製』が追加されていたが、せっちゃんは『念話』を指差したので、それを選択した。


『主、聞こえますか?』


 凛とした綺麗な声が頭の中に響いた。


「ッ!? せっちゃんなの? めっちゃ綺麗な声が聞こえたよ?」


『恐縮です』


 どうやらせっちゃんだったらしい。

 ようやくせっちゃんと会話が出来ると俺達は喜んだ。


 食事について聞いてみると、魔石と同様にエネルギーを取り込むことが出来るという事がわかった。

 これからは、せっちゃんも一緒に食事出来ると、またしてもみんなで喜んだ。


 次はラズの▼をクリックすると、【追加スキルを選択してください】と表示された。

 その選択肢は


『属性付与』

『鍛治能力向上』

『腕力向上』

『脚力向上』


 と、表示された。


 ラズを呼んで選んでもらうと、『鍛治能力向上』を選択した。

 理由を聞くと、能力向上系は戦闘しないので候補から外れ、属性付与は敵に合わせる必要があるため、ダンジョンの不規則な魔物配置に対応するには攻略を中断してもらう必要があり、あとで選べるなら、まずは時短が期待出来る『鍛治能力向上』が良いという理由だった。


 俺より考えられてるね。

 気付けば俺は、ラズの頭を撫でていた。


 次は、トワさん。

 トワさんも追加スキルの選択が出てきた。


『拘束魔法強化』

『吸性強化』

『吸生強化』

『性技』


 これは……1択ではないか? と俺は思ったね。

 トワさんも珍しく困ったように微笑み、『拘束魔法強化』を選択した。


 俺はリスポーン覚悟で、トワさんの頭を撫でました。


 リスポーン!!


 ノートパソコンの前に座り直して、最後は桜。

 桜は、【進化先を選んでください】と表示された。


 ついに、あの配信と同じ表示が!

 桜を呼んで、一緒に進化先を確認する。


『スケルトンマジシャン』

『ゾンビ』

『グーラ』


 なんという3択……。

 桜を見ると、真剣に画面を見つめている。

 しばらくすると、桜はなんと『グーラ』を指差した。


 俺は桜の選択を信じ、『グーラ』をクリックした。

 すると、骨だった桜が、眼球がなく、そこが仄暗く光るミイラへと進化した。

 

 俺は、その姿を見て固まってしまったが、桜がゆっくりと画面を指差す。

 そこにはまだ▼が表示されていた。


 俺は、その▼をクリックした。


『ハイグーラ』

『シェイプシフター』

『ヴァンパイア』


 桜を見ると、胸の前でグッと両手を握っていた。

 賭けに勝ったみたいなポーズだな。


 すると桜は、ヴァンパイアを指差した。

 俺は、それをクリックして、桜は光に包まれ進化が始まった。


 光が散ると、そこには、黒目黒髪セミショートの可愛らしい女の子がいた。

 ラズと同じくらいだろうか、中学生くらいに見える。


 もう▼は表示されず、これで全員の強化が終了した。


「シゲオさん! うち、進化しました!」


 桜の一人称は『うち』なんだね。


「桜! やったな!」


 俺は驚きすぎて、語彙力なくなったよ。


「わぁ! 桜さん可愛いですね!」


「ラズちゃんありがとう! 前から言いたかったけど、『さん』なんてやめてよ」


「えっと、じゃあ僕も桜ちゃんで呼びますね!」


「うん! これからも仲良くしてね!」


「もちろんです!」


 ラズは敬語がデフォだからそこまでは、言わなかったのかな?

 桜は、空気が読めるねぇ。


「よし! 今日はみんなの強化・進化祝いに、良い肉で焼肉パーティーしようか!」


 みんなから、微笑みと喜びの声を聞きながら、ショップで色々使えるホットプレートと、豚肉、牛肉、鶏肉、タレを購入した。


 桜、せっちゃんと会話が出来るようになって、みんなキャッキャと楽しく焼肉を食べ、ゆっくりとした1日を過ごした。


 あ、アンナ……ま、お金もあるし、明日でも大丈夫かな……会ったら謝ろう。




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現在の主人公装備一覧


初心者の剣

初心者の木の盾

ウエットスーツ一式


ミスリルの短剣

ミスリルの剣

ミスリルのカイトシールド

ミスリルコンポジットボウ

ミスリルハーフプレートメイル

ミスリルアームガード

ミスリルグリーブ

ウルフマント

リザードマンの皮手袋

スノーシュー

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スキル一覧


テイム

体術

短剣術

長剣術 

盾術 

弓術

魔力

魔力操作  

魔力向上 

上級回復魔法

(回復魔法には、解毒などの魔法も含む)

生活魔法

補助魔法

腕力上昇 

脚力上昇 

体力向上 

回避補正

鷹の目

鑑定

錬金術

収納

矢弾作成

水中行動

気配察知

異世界言語

冷寒耐性

熱暑耐性

ダンジョン帰還

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持ち物一覧


若返りの薬 1本

チェーンソー

ミスリルの両手剣

ミスリルの槍

ミスリルタワーシールド

ミスリルの腕輪

ガーネットとミスリルのネックレス

隠者のローブ

ツルハシ 3本

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設備一覧

内装 ロッジ風

初心者物干しセット

鍛治設備一式

小さな個室

トイレ

脱衣所付き風呂場(洗濯機、洗面台は脱衣所)

冷蔵庫

キッチン設備一式

大きな座卓一式

配信用カメラ

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従魔一覧


ヴァルキリー風ゴーレム(せっちゃん)

念話、食事

ドワーフ(ラズ)

鍛治能力向上

リリス(トワさん)

拘束魔法、拘束魔法強化

ヴァンパイア(桜)

異空間収納、料理


アンナ 赤髪ロング (異世界奴隷)


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ホットプレート、肉等 Dポイント 2,000


残 Dポイント 43,195

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