第27話 配信結果と奴隷
「あ、ご主人様ぁ、おかえりなさぁい」
「マスターおかえりなさい」
桜もお辞儀をして出迎えてくれた。
「ただいま。配信どうだった?」
「楽しかったわぁ」
「美味しかったです」
「そ、そうなんだ。アーカイブ見させてもらうね」
そう言って、俺は早速アーカイブを確認した。
アーカイブを確認すると、ラズ、トワさん、桜が映っていた。
「みんなぁ、見えてるぅ?」
【バッチリ】
【お、従魔配信か】
【エッロ】
・
・
・
「うふふ、見えてるようねぇ。今日はお昼ご飯を食べるわぁ」
【飯テロか?】
【リリスなのに健全配信とは】
【ラズちゃん可愛いぃ】
【エッロっ】
・
・
・
なんか1人、エッロしかいってないな。
ま、トワさんはカーディガンが半分落ちて両肩出たうえに、ナイトドレスだからね。
しょうがないね。
「桜ちゃんのお料理はぁ、とっても美味しいのよぉ」
「ですね。僕も桜さんのお料理大好きです!」
浴衣を着て、たすき掛けしている桜の姿が映る。
カタカタカタカタ照れてるような動きをしている。
少しして、落ち着いたのか、桜は、料理を運んできた。
運ばれていた料理は、オーク肉を使った料理で、ご飯、オーク肉の肉じゃが、オーク汁だった。
「今日も美味しそうねぇ」
「桜さんの料理は、どんな料理でも美味しいですね!」
「じゃぁ、いただきましょぉ」
「はい! いただきます!」
最初は、普通に食べ始めたんだね。
お、ポイント投げてくれてる人もいるね。
「美味しいわぁ」
「桜さん、美味しいです!」
カタカタ恥ずかしがる桜。
【新しい扉開いたかも】
【スケルトンが可愛くみえるだとッ】
【美味そう!!!!】
【やっぱエッロっ】
・
・
・
「ラズちゃん、はぁい、あーん」
「あ、えッ、あ、あーーん」
「うぅんラズちゃん可愛いぃ」
モグモグしているラズを後ろからハグするトワさん。
そのまま、続けてあーんをしているようだ。
トワさんは、後ろからあーんするために、ラズの横から身を乗り出す形になる訳で。
そうすると、溢れそうな果実が映るわけで……。
ポイントの雨嵐やぁ!!
「うふふ、ラズちゃん美味しぃ?」
「は、はい。恥ずかしいですけど、とっても美味しいです!」
「はぅん、可愛ぃわぁ」
ギュッと抱きしめるトワさん。
ラズの頭の後ろで、双丘がッ! 双丘がぁぁ!!
ここでもポイントが飛び交っているッ!
「ふぅ、美味しかったわぁ。桜ちゃんご馳走様ぁ」
「美味しかったです! 桜さんご馳走様です!」
カタカタお辞儀する桜。
「今日のぉ、配信はこれでお終いよぉ」
「ありがとうございました!」
お辞儀する桜。
そんな3人の姿を最後にアーカイブは終わった。
うむ、飯テロ健全配信だな。
「ポイントかなり増えたね。この配信なら、どんどんやって大丈夫!」
うふふ、と微笑むトワさん、恥ずかしがるラズと桜。
今日は、角ウサギの肉を桜に渡して、夕飯にしてもらった。
魔物肉って美味しいのな。
ローストされたウサギ肉に、桜特製ソースが絡まったお肉は、ご飯によく合う味付けだった。
美味しい料理に幸せを感じつつ就寝した。
次の日も、俺とせっちゃんは異世界へと向かった。
遠くに見える村を横目に北へと向かって走っていく。
馬車で2日と言えど、俺達なら、半日ほどで到着できた。
武装を収納し、問題なく街へ入ることが出来た。
まずは、奴隷の値段チェックだな。
そうして、俺達は、門番に聞いた奴隷商へと向かった。
「いらっしゃいませ、どのような奴隷がお望みですか?」
恰幅の良い、宝石のついた指輪を両手一杯に嵌めているおじさんが現れた。
「この辺りの常識を知っている奴隷が欲しいのですが、相場はいくらになりますか?」
「そうですね……。男であれば金貨1枚、女性で夜の奉仕も含めますと金貨10枚からというところでしょうか」
「ふむ。例えばですが、欠損があり、知識もある女性奴隷となるといくらになりますか?」
「欠損でございますか……当商館ですと、1人だけおりますが、いつ死んでもおかしくない状態でして。それで宜しければ、金貨1枚でお譲りいたしますが……もしすぐに死んでも当商館のせいにして衛兵などに訴えないことを署名していただきますよ?」
「おぉ! 丁度手持ちが寂しいところだったんですよ。でも、この辺りの常識に疎くて、その辺りの知識さえ得られれば、あとはどうでもいいので、早速署名しましょう!」
回復魔法で欠損治せるし、ここは適当にギンギラおじさんに合わせておけば心象がいいだろう。
俺は、早速署名をして金貨1枚を渡し、奴隷を連れてきてもらった。
連れてこられた奴隷は、20代くらいの女性で、起きることも出来ないほど衰弱していて、片脚、片腕、片目が欠損していた。
「これはなかなかな状態ですね。話はちゃんと聞けるのでしょうか?」
「えぇ、えぇ。サービスで上級回復薬をお付けいたしますので、話を聞くことだけは出来るはずで御座いますよ」
ニヤニヤと笑う奴隷商。
まぁ宿を取ったら、回復させるから良いけどさ。
「分かりました。では、買わせていただきます」
「ありがとうございます。では、奴隷契約の手続きをいたしますので、この奴隷がしている首輪に触れてください」
俺が首輪に触れると、ギンギラおじさんは何やらぶつぶつ呟き魔法を発動したのか空中に小さな魔法陣が現れ、俺と奴隷の身体が青白く光った。
「これにて、契約完了でございます。商業ギルドの登録証をお持ちでしたら、こちらで記載出来ますが、いかがですか?」
「お願いします」
ギンギラおじさんは、登録証を受け取るとまた何やら呟き手をかざすと、登録証に奴隷の欄が現れ名前が記載された。
「おぉ、不思議なものですね」
「そうでございますね。ただ、登録証を弄ることが出来るのは、国やギルドに正式に認められた商館のみでございますので、違法な奴隷の所有はお気をつけくださいね。もし逃亡奴隷を見つけましたら、奴隷商館か衛兵にお声かけください」
「そうなんですね。分かりました」
怖いね。
逃亡奴隷とかと関わらないようにしよう。
その後、上級回復薬を受け取り、「またのご利用をお待ちしております」とギンギラおじさんは商館の出口まで見送ってくれた。
しかし、なかなかな状態だよな、この子。
急いで宿に行こう。
道ゆく人に、宿の場所を聞いて、早速向かう。
欠損奴隷は、せっちゃんがお姫様抱っこして、俺のマントをかけ、周りの目や身体に負担のかからないよう運んでいく。
宿に着くと、宿の主人に嫌な顔をされたが、砂糖を1キロをこっそり渡して、無事に部屋を借りれた。
部屋につき、奴隷をベッドに寝かせた。
俺は、生活魔法の浄化を使用し、奴隷の汚れを綺麗にし、上級回復魔法で、欠損を全て回復させていった。
全ての欠損が回復すると、スースーと規則正しい寝息へと変わっていった。
「ふぅ、なんとか無事に情報源ゲットだな。あとはいつ起きるかだよなぁ」
俺は一息つき、せっちゃんとベッドに腰掛け、いっせっせを、せっちゃんに教えて、暇つぶししていた。
トランプ買っておけば良かったなぁ、と思っていると、奴隷が目を覚ました。
「う、うぅ、ここは……」
「お、起きた?」
「ひぃっ! だ、誰ですか!?」
「いやいや、君を買った者だよ。大丈夫? 思い出せる?」
元欠損奴隷の姿は……貫頭衣と奴隷の首輪をしていて、髪は赤茶色のボサボサロング、顔はキツ目だけど美人。スタイルは、C、キュッ、プリって感じだ。
「あ、え……あれ? 私の脚が、腕が……目も……」
うぅ、と泣き出してしまった。
ま、落ち着くまで待ってあげましょう。
しばらく待っていると落ち着いたようだ。
「も、申し訳ありません。寛大な処置をしていただきまして、ありがとうございます。私で良ければなんでも致します!」
「おぉ、なんでもしますって初めて言われた!」
せっちゃんに肩をトンっとされました。
「ごめんごめん。あぁ、君の名前は? 俺はシゲオ。こっちはゴーレムのせっちゃんね」
「あ、わ、私は、アンナと言います。元冒険者です」
「あぁ冒険者だったんだ。それであんなひどい怪我を……」
「い、いえ、片目は冒険者の時に負ったものですが、他の怪我は……」
「いや、言いづらければ無理に言わなくていいよ」
「あ、いえ、よくある話です。装備を買うために冒険者ギルドに借金をしていたので、金額の良い貴族様からの依頼に参加しんです。そこで、囮にされまして……同じ依頼に参加していた冒険者が助けてくれたのですが、その時にはもう腕も脚も……」
ポロポロと涙を流すアンナさん。
それで、借金が返せず奴隷になったのね。
「で、ですが、こうして寛大な処置をしていただきましたので、誠心誠意ご主人様に尽くさせていただきます!」
「ありがとね。ま、あまり気張りすぎなくて大丈夫だよ。俺がしてもらいたいのは、この辺というか、この世界の常識について教えてほしいんだ」
「常識ですか?」
「そうそう、俺はこの世界の人間じゃないから、常識が全然わからないんだよね」
「え? えっと……ご主人様は使徒様なんですか?」
「使徒様? いやいや、そんな大層な者じゃないよ。別の世界から、この世界に遊びにきてるだけだよ。言うなれば来訪者って感じかな?」
「な、なんだか頭がくらくらしてきました」
「あれだけ酷い怪我をしてたからね。今はゆっくり横になってて。何か食べ物もってくるよ」
「いえ! ご主人様にそんなことさせられません!」
「まぁまぁ、今日くらいは休んでおきなよ。せっちゃん、アンナさんのこと頼むね」
俺は宿の主人に声をかけ、パンとスープをもらった。
砂糖効果が効いているのか、ニコニコで準備してくれた。
アンナさんに、スープにパンを浸しながらゆっくり食べてと渡し、今後のことを考える。
おじ様の配信情報の中に、異世界で宿をとったり、家を借りたり買ったりした場合、ダンジョンからそこへ直接転移出来るようになるらしい。
転移した場所に、ダンジョンへ戻るための扉も出るとのことだ。
今回は、この宿の部屋でダンジョン帰還しても、次回はまたここへ転移出来るはずだ。
もう夕方になってきているので、食べ物を適当に買ってきて、アンナさんに渡しておいて、明日またここに来よう。
俺は、2人に声をかけ、屋台や商店の場所を聞き、ブラブラしつつ色々購入して、宿に戻ってきた。
「ただいま。じゃあ、アンナさん適当に食べてね。果物やパンや串焼きだけど」
「あ、ありがとうございます……こんなに良くしてもらって良いのでしょうか」
「不安になる気持ちも分かるけどね。ま、これが俺のやり方だからさ。あんまり気にしないでね。あと、ご主人様じゃなくても良いよ?」
「で、では、シゲオ様とお呼びいたします。どうか私のことはアンナと呼び捨てにしてください。あと敬語もおやめください」
「そっか、奴隷にさんつけたり敬語だと怪しいよね。了解。じゃあ、アンナ色々不安なこともあるだろうけど、今日はゆっくり休んでね」
「はい! ありがとうございます」
「じゃ、俺達は帰るね」
「帰るのですか?」
「そそ、向こうの世界に。明日またここに来るから、待っててね」
「……? わかりました?」
「ま、見てれば分かるよ。じゃ、また明日ね」
俺はアンナに手を振り、ダンジョン帰還を発動した。
ダンジョンに戻ってきて、トワさん達に出迎えを受け、異世界アプリを確認すると、転移先に、最初の洞穴と街の宿が選べるようになっていた。
これで、大丈夫だね。
俺は、屋台で買ってきた串焼きを取り出して、みんなで食べた。
肉は角ウサギの肉で、鶏肉に近い感じだけど、パサつきがあるね。
味付けはハーブ系と塩かな。
ま、屋台の串焼きは普通かな。
桜が作ればジューシーな串焼きが出来ちゃうからね。
みんなやっぱり桜の料理が良いという評価を受け、桜は嬉しそうにモジモジカタカタしていた。
いつか、せっちゃんも料理とか食べれるようにならないかなぁ、と考えながら、ゆっくり過ごした。
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現在の主人公装備一覧
初心者の剣
初心者の木の盾
ウエットスーツ一式
ミスリルの短剣
ミスリルの剣
ミスリルのカイトシールド
ミスリルコンポジットボウ
ミスリルハーフプレートメイル
ミスリルアームガード
ミスリルグリーブ
ウルフマント
リザードマンの皮手袋
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スキル一覧
テイム
体術
短剣術
長剣術
盾術
弓術
魔力
魔力操作
魔力向上
上級回復魔法
(回復魔法には、解毒などの魔法も含む)
生活魔法
補助魔法
腕力上昇
脚力上昇
体力向上
回避補正
鷹の目
鑑定
錬金術
収納
矢弾作成
水中行動
気配察知
異世界言語
冷寒耐性
熱暑耐性
ダンジョン帰還
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持ち物一覧
若返りの薬 1本
チェーンソー
ミスリルの両手剣
ミスリルの槍
ミスリルタワーシールド
ミスリルの腕輪
ガーネットとミスリルのネックレス
隠者のローブ
ツルハシ 3本
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設備一覧
内装 ロッジ風
初心者物干しセット
鍛治設備一式
小さな個室
トイレ
脱衣所付き風呂場(洗濯機、洗面台は脱衣所)
冷蔵庫
キッチン設備一式
大きな座卓一式
配信用カメラ
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従魔一覧
ヴァルキリー風ゴーレム(せっちゃん)
ロリドワーフ(ラズ)ラズベリーショート
セクシーリリス(トワさん)ゆるふわロングダークレッド
(拘束魔法)
土下座スケルトン(桜)浴衣(桜柄)
(異空間収納、料理)
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Dポイント配信にて +12,000
アイス等 Dポイント 200
残 Dポイント 40,895
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