第19回『きらきら』:キラキラプロデューサー

「キラキラしたものは誰だって好きだろう? 私ももちろん。星に花火。俳優にスポーツマンやら時の人。ギラギラせず、だけど自ら輝いている。少し薄暗い方がより目を惹くね。だから最初はプロデューサー。キラキラをつくる方ね」

 手慰みに彼が捲るのは、戦争、貧困、物価高。薄暗い話題の特集雑誌。

「この業界に来たのは誘われたからだけど、やることはあまり変わってないね。いろいろな物を最適に。より磨けるよう粒を揃えて、曇らぬように動けるように。そしてより人の目を集めるように」

 四人の首相に仕えた政策担当秘書は雑誌を閉じると人気のインタビュアーへ静かで無邪気な笑みを向け。

 表紙に据えられたアイドルはキラキラ眩しい笑顔を見せる。

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