第18回『指』:完全再現の情熱
まず骨の長さが重要だと。トルク、筋力、関節のバランス。
関節は弱すぎてはダメ堅すぎてはダメ。音源の個音の大きさを測定し、残響を計り、ノイズの有無を推定する。
皮膚は即ち摩擦係数。滑らず捉える若い皮膚、滑りで掠れる往年の。推定モーション、算出数値を、余さずロボットに反映する。
楽器が時を超えたとしても、演者には長短あれど寿命がある。
音源は全てを記録しない。再現とは楽器と演者、揃って始めて完全となる。
*
宣う彼は演奏そのものを再現しうる唯一無二の技術者であるが。
「皮膚と腱は必須だろう!? 色艶張りは重要要素! 機能的で、滑らかで、力強く、しなやかで、たをやめの如く輝く、彼の――指」
単なる指フェチとしか僕には。
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