第15回『酔う』:宇宙で機械を使うには
人間では高すぎる。ゼロG用でもまだ高い。地上の汎用機でどうにかこうにか益が出る。なら選択肢はそれしか無い。
コンテナに詰めて税関を通す。廃材利用の名目で貨物エレベータに一式押し込む。コンテナのままバスに乗せ、壁があるだけの巨大な樽に辿り着く。
着いてしまえば、こっちのもの。
無重力酔いを押して立つ。微小重力でもホッとできる。コンテナを開く。廃棄寸前のポンコツ機材のスイッチを入れる。
LEDが光り出す。シークエンスが進み始める。アームは明後日に伸びて行き、レッグは泳ぎ、センサーがただ空回りする。
まるでそれは酔っ払い。
『1G用には制御に重力センサーが使われていまして』
高い通信費が無情で乾いた事実を告げる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます