第10回『つなぐ』:微小な世界
微小とはいえ安定したワームホールの製造技術が確立されるともちろん医学にも応用された。例えば薬液を患部に直接注ぐことに成功した。例えば血管と機械を繋ぐことで透析患者の自由度が増した。そして多数の『片側』の回収漏れが発生した。
ワームホールは対でなければ消滅させることができなかった。始末できない『片側』は専用の『墓場』に保管された。
やがて天災が街を破壊し人が愚かさを発揮すると、『墓場』は技術と共に忘れ去られた。
真暗に閉じられたはずの『墓場』にはしかし光が射していた。空気が通り水が流れた。いつしか藻が茂り内を覆い、知能と呼べるものが発生する。
人知らぬ知能はただ在ってただ感じる。
世界と己は繋がっている。
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