第6回『折る』:真心を育てます

「お友達が治るように、みんなで鶴を折りましょう!」

 ――鶴は燃えるゴミになりました。


「死亡事故が起きました、犠牲者を鶴で慰めましょう」

 ――鶴はぼろぼろになって散りました。


「辛い出来事の記念日は、鶴で平和を祈りましょう」

 ――鶴は再生紙へと変わりました。


「月面の隕石事故に、僕らの真心を贈るには?」

 みんなで懸命に考えます。――お金があれば?

『子供達の真心を月面に!』

 募金で資金を調達しました。しかし『重い』と断られます。――なら、軽ければ?


「私たちは日本の小学生にとても感謝しています!」

 ――グラフェンで出来た折り鶴は万一の時の補強材になりました。


 *


『優しさを育て、真心通う人を作る』

 それが本校の校訓です。

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