第4回『靴』:瞬○に続け!

『運動が苦手な子供を持つ親たちの間で一世を風靡した靴をご存知でしょうか。徒競走に特化した左右非対称シューズです。そう靴はより積極的に行動をサポートすることができるのです。

 我社で開発したAIシューズは、悪い癖なら矯正し、良い形を自然に導きます。正しい姿勢、正しい歩きになるように靴が自然にサポートします。

 えぇ。スポーツ分野への応用ももちろん可能です』


 そんなインタビュー記事が世間を賑わわせてから二〇年。ショーモデルオーディションの審査員は渋面で卓を囲んでいた。候補者のレベルは一様に高くウォーキングに難はない、いや、なさすぎる。

「ここ数年、小粒が続くわねぇ」

 齢六〇を超える元モデルの重鎮は首をかしげる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る