第33話 荒れ模様
馬車、馬を残し、先を進んだ。
先ほどまでなかった風が、森の中を凄い速さで吹き抜けていく。
日中だというのに、辺りは暗くなり、遠くから獣の遠吠えが聞こえる。
森を抜ける瞬間、突風がアランたちを森に押し戻そうと吹き荒れる。
ボッサとスタンは、後ろに転がっていく。
「スタさん、ボッサ!」
アランが振り向くと、
「カバンに入れたほうが良いかもな。」
森を抜けた先は、雲で太陽が遮られた平原だ。
「小さい魔獣だが、数が多いな。」
スタンとボッサを受けとるが、2匹ともすぐに地面に飛び降りた。
カバンは、もう嫌らしい。
アランは、いざとなったらカバンに入れることにして、今は、全体の確認だ。
州都に向かう途中で襲ってきた、あの大きな魔獣がいない。
……少ないな。
アランは、
だが、早いうちに、あの小さい魔獣を片付けてもらったほうがいいな。
「あぁ、分かってるよ、任せな。」
いつの間にか、ハンターと魔法使いが組んでいた。
なんか、かっこいいな。
アランには、新人ハンターくんと女の子ハンターがついていた。
「おい、お前!準備できたか。行くぞ!」
また、お前かよ。
「あんた、しっかりサポート頼むわよ!」
俺をサポートしろよ。
アランは、やれやれと思いながら、彼らに煽られ久しぶりに高揚していた。
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