第7話 魔獣との戦い
ドシンっという重そうな足音とともに魔獣が吠える。
頭に角が2本生え、黒光りしているデカイ体が、前のめりになる。
「おい、こらモフモフ野郎!」
スタンは、アランの後ろで毛を逆立て臨戦態勢だ。
後ろって、まったく隠れてるよ、この子。
「スタさん、頑張って!」
スタンは、仕方なさそうに前に出ると、何やら体を低い態勢にして力を込めた。
唸り声とともに、火の玉が口から飛ぶ。
コロコロ……
「スタさん、……」
ヘル種は、火の玉を口から飛ばす攻撃がある。凄い威力のはずだが、スタンは苦手だった。
火の玉は、魔獣の前に、申し訳なそうに転がった。
けほっ、けほっ、うぉ、うぉ、いいながらスタンはゲロしている。
「……スタさん、どんまい。」
アランは、魔獣と向き合った。
その時、小さな黒い物体がアランの横を飛んで行った。
「えっ。」
アランの前には、小さな黒毛の生き物が唸りながら魔獣に向かって低い姿勢をとっている。
「無理だから……」
小さな黒毛の生き物は、畑でスタンと遊んでいたニゲル種の魔獣の子だった。
「何これ、俺どんだけ弱いと思われてるの?」
アランは、魔獣に攻撃しようとしたが、ニゲル種の魔獣の子が、大きな魔獣に飛びかかった為、攻撃できなかった。
「キャン……」
魔獣の子が、吹っ飛ばされ木に激突して草むらに落ちた。
そして、直ぐ様よろよろとまたアランの前に出ようとしている。
右前足を痛めたのか、地面につけないでいる。
「おい、無理だから。スタさん!安全なところに連れてって!」
スタンが、魔獣の子の首に噛みついてアランの前から連れ去った。
スタさんってば、甘噛だよな。
首に噛みつくなんて致命傷だよ。
今度こそ、アランは、魔獣と向かい合った。
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