第5話 薬草は大事
魔女に貰った地図を頼りにたどり着いた野原は、残念ながら真ん中では、薬草探しをするのは面倒そうだ。
一応、自分を防御壁で囲って飛び、上から確認してみたが、目新しい薬草は見つけられなかった。
すぐに、またあの羽の生えた魔獣来たし。
アランは、スタンと共に野原の周りを歩きながら、次の場所に移動を始めた。
途中、アランの好きな花が群生していた。
この花は、強い日射しを好まないので、野原の端の木陰に咲いていた。
花は、まるで顔を隠すように下を向いている。
「相変わらず照れ屋さんで可愛いな。おっと、薬草見っけ。」
アランは、比較的珍しい薬草を見つけた。
この薬草は、傷薬として有名で、即効性があるので重宝されている。
アランは、この薬草を軟膏にして、薬屋に売ったりしている。結構高値で買い取りしてもらえるので、アランは、薬草を大量にカバンに詰め込み始めた。
このカバンは、魔法使い専用のカバンた。
階級で入れられる量や機能が違う。
見た目のカバンのサイズとは、まったく関係なく、要は倉庫を持ち歩いているようなもんだ。
しかも、アランの持っているカバンは、薬草や、食べ物が痛まないように出来ていて、たっぷり物が入るので、長い旅には最適だ。
薬草は、粉薬や丸薬、軟膏などにして町の薬屋に売ったりして、旅費にしている。
一番手っ取り早く治すのは、魔法と薬草を一緒に使えば効果は早いので、アランは、カバンの中に薬草を常備している。
「まぁ、これだけあればいっか!」
アランは、立ち上がると伸びをした。
「スタさん……。」
アランは、残念な相棒を見た。
スタンは、猫サイズで木の枝の上で、毛繕いしていた。
木の上なら安全だと思ってるだろ。まったく。
アランは、呆れながら口を開いた。
「ちゃんと、回りを警戒してくれてた?俺、無防備だったでしょう。」
スタンは、一旦、毛繕いを止めたが、あくびをするとまた毛繕いを始めた。
「……まったく、うちの相棒は仕様がない。行くぞ。」
アランは、もう少し先にある滝を目指した。
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