第4話 海賊

 タケゾウとオサフネとボルサリーノは船に乗り、海を進む。「のあさま、って奴は一体どんな奴なんだ?」「それは見ての楽しみです」「言えないとは嘘と言っているようなものでござる。タケゾウ、お主もそう思わぬか?」「まあ、見たら分かるんだ。楽しみにしよう」「そうでござるな」向こうから船が来る。「お?旗を立てた船とは珍しい」「確かに。拙者も初めて見たでござる」「ワタシ、聞いたことあります。この辺りには海を荒らす賊がいると」その時、船の側で水飛沫が上がる。激しく船が揺れる。「おっと!いきなり攻撃してきやがった。成敗してやる」「どうするつもりですか?」「やっつけるんだ。ボルサリーノ、お前は船を守れ」「わかりました」「行くぞ、オサフネ」「応でござる」タケゾウとオサフネは海に飛び込む。ボルサリーノは船を操舵し、砲弾を避ける。「タケゾウ、オサフネ、お願いします!」海賊船に二人の侍が現れる。「お前ら、覚悟しろ」「海の荒くれ者、成敗するでござる」海賊たちが次々と倒れ、残すは船長のみとなる。「良い事を教える。だから勘弁してくれ」「分かった。良い事って何だ?」「もうすぐ大きな嵐が来る。早く離れた方が良い」「そうか。ありがとよ」タケゾウとオサフネは泳いで船に戻る。「2人ともご無事で何より」「ああ。それより刀が濡れちまった。錆びちまう」「拙者は刀鍛冶でござる。帰ったら鍛え直して進ぜよう」「そいつは助かる」海が荒れ始める。「例の嵐でござるか?」「ボルサリーノ、全速力で離れろ」「わかりました」激しい風と雨が船を襲う。「まずい!水が入って来やがった」「沈むでござる!」「ノアよ。ワタシたちをお救い下さい」三人は海に沈んでいく。

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