第28話「さぁダンジョンへ行こう!」

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……。


…………。


 唯臣は、アルメイヤとアルモナを連れて、キャンプ地へ戻って来た。


「あっ、唯臣ちゃんお帰り!

 だいぶ頑張って気張ってきたのね!」

オルフィーは頭をなでなでしながら言う。


 もう就寝準備は完了していたが、唯臣が帰って来るまでオルフィーは起きていた。


「あんたがオルフィーちゃん?

 初めまして!あたしアルメイヤですー。」

唯臣の肩でお辞儀をする妖精。


「えっ!?

 あぁ、凄い可愛い……。

 妖精さんですか?」

オルフィーはアルメイヤを見つける。


 唯臣は事情を説明した。


「なるほど……。

 あなたが唯臣ちゃんを連れて来た女神さんね。

 うちの家族になりたいんですって?

 もちろん大歓迎ですわ。」


 オルフィーは、アルメイヤを人差し指と中指で頭をなでなでした。


「ありがとー!!

 これからよろしくなー!!

 ほなら早速唯臣と未開ダンジョン潜って来るわー!!」

アルメイヤはニコニコとして言う。


「あら、それは駄目よ。」

意外にも厳しい言葉。


「今日は家族のキャンプ。

 みんなでテントで寝るのよ。

 ほら、唯臣ちゃんいらっしやい。

 アルメイヤさんの寝床も……、ほら既に用意したわ。」

オルフィーがそう言うと、音速でロールベッタがテント内に妖精用のハンモックを吊っていた。


「……ほ、ほーか。

 ほんならご厚意に寄せてもらうわ……。」

そこまで言われるとアルメイヤも反論は出来ない。


 唯臣達は、全員が収容できるほど大きなテントで雑魚寝した。


………………。


…………。


……。


「おっはよーございますじゃー!!

 今日は何するかのー!!」

リーヘンが一番に起き、一番のテンションで叫ぶ。


「むむむ!!なんかちっこい虫がテントにはいってるぞい!!

 血を吸われてはかなわん!

 殺虫魔法をお見舞いしておくれ!ほらロールベッタ!!」

リーヘンがパンパンと手を叩き促す。


 するとロールベッタは魔法の詠唱を始める。


「まてまてまてぃ!!

 ちゃうて!おっさん!!

 あたしは、唯臣の連れや!!」

蚊と間違われた女神は必死に弁明する。


 このミニマムな騒動に起こされた唯臣が、リーヘンに事情を説明する。


「なるほどぉ!!

 この蚊は女神様なんですな!!!」

分かってるのかいないのか半々な回答をくれるリーヘン。


「蚊やないけどな!

 あたしはフェアリーや!」

アルメイヤが訂正する。


 お互いの立ち位置を分かり合う。

そのまま、ロールベッタが作った朝ごはんをみんなで談笑しながら食べた。


「あははは!

 えーやん!

 リーヘンはん!

 あんたなかなかに面白い男やん!!」

アルメイヤは上機嫌。


「はっはっは!!

 私もこんな可憐な女神様に出会えて、天上へ上る気持ちですぞ~!!」


 上手く理解し合えたようだ。


「しかし、ダンジョンですかぁ……。

 せっかくの家族水入らずですしのー。」

渋るリーヘン。


「パパ!!

 この未開ダンジョン踏破は、ソンギブ家の未来に必ずや、大きな栄光をもらたしますわ!」

オルフィーが言う。


「アルメイヤさんもいますのよ。

 唯臣ちゃんなら必ず無事に帰ってきますわ。

 ……そうねぇ、じゃあこうしましょう。

 唯臣ちゃん!必ず夕飯には帰って来なさい。

 それなら、ダンジョン向かわせてもいいでしょう?パパ。」


 ソンギブ家の名声向上を企むオルフィーは、唯臣のダンジョン攻略を是が非でも応援したい。


「そうじゃな。

 唯臣よ。必ず暗くなる前に帰って来るんじゃぞ!!

 今日もBBQは一緒にするんじゃ!!」


 唯臣は、会釈した。


「おっしゃー!

 ほなら、さっそく未開ダンジョン探索と行こかー!!

 さぁダンジョンへ行こう!」

アルメイヤはノリノリで身支度し始めたのであった。


…………。


……。


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