死の選択を自由にできる世界で生きていたヤツ
翁甜夜
安楽死することになったルームメイトの幼馴染
大学1年のある夏の深夜__
幼馴染のルームメイトが自分の部屋に来て――
「ねぇ。僕、明後日死ぬことになったから今から一緒に旅行行かない?」
と、爆弾発言を落とした。
幼馴染の手には【安楽死許可書】という政府から発行される証明書が握られていて、幼馴染の顔は今までに見たことがないほど嬉しそうだった。
日本に導入されている安楽死制度は18歳から誰でも認められている。だがしかし、安楽死をするには1年間『見つめ直し時間』というカウンセリングを1年間で10回ほど受けなければならない。
最後のカウンセリングまで死の選択を変えなかった者は安楽死を許可されるという仕組みにっている___
「旅行、キミと行きたいんだけどダメかな?」
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