ここが私の生きる場所…帰郷

「もしもし、こんなところで寝ていると風邪をひきますよ。起きて下さい。」

私は体を揺さぶられ薄く目を開けた。警察官が目の前にいた。

「よかった目が覚めて、具合が悪いとかないですか?」そう聞かれ、私は少し考えたが「大丈夫です」と答えた。

「もう夜遅いですし、危険ですから早くお帰りなさい!」と警察官に言われたので、「ご迷惑を掛けました。起こしてくださってありがとうございます」と私は答え立ちあがってお辞儀をした。

その動作で、私が具合が悪くないのが解ったのか警察官は立ち去った。

ベンチに座りなおし周りを見回すとそこは駅前で、どうやらベンチに座ったまま眠ってしまったようだ。「夢を見てたのか・・・?えっと、バッグあるね、中は・・・スマホ、財布、定期…。全部あるバックの中は大丈夫。腕時計に、眼鏡もかけてるね。あれ?」首元に違和感を感じさわってみる。紐の様なものがかかっていて引っ張ると貝がついていた。「これは何?この貝は?どこで…?会社から帰るときは持ってなかったのは確かだけど・・・」しばらく記憶を探ってみる。そして急に思い出した。「あ!貝のペンダント、癒しの世界!そうだ!私は癒しの世界に行って、そこでこの貝を拾ってペンダントにしたんだ。癒しの世界で管理人さんや小鳥さんに会って楽しい時間を過ごしたっけ。かなり長くいたみたいだったのに、本当に元の世界では時間が止まっていたのね!!」癒しの世界で過ごした日々が脳裏に浮かんだ。心と体を癒してくれたあの日々が。「管理人さんと約束したし、癒しの世界のことは私の胸にしまっておかなくては。さあ、これからは自分の世界での生活!まずは家に帰ろう!!」そう言って私は立ち上がり、家路を急いだ。


疲れ切った私が見た世界  完

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疲れ切った私が見た世界 星之瞳 @tan1kuchan

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