管理人さんの訪問

ノックの音に「どうぞ!」と声をかけると、管理人が入ってきた。

「お久しぶりね、元気だった」と、管理人が声をかける。

「はい、あ!小鳥さんと暮らすことを許可下さりありがとうございます」と私は答えた。そしてテーブルの椅子をすすめ、「お客様にお茶とお菓子を出してください」と言って出てきたお菓子とお茶を管理人さんに「どうぞ」とすすめた。

管理人さんはお茶を飲み、しばらく難しい顔をしていた。「あの~何かあったんですか?」私の問いかけに管理人は重い口を開いた。

「その貝、浜辺で拾ったそうだけど、あなたが出したの?」と聞かれ、わたしは「いいえ、帰ろうとしたら砂浜に光る物があったので近寄って手に取ったのがこの貝です」と答えた。

「そう。思わないのに、そこにあったってことなのね」管理人さんのつぶやきに私は「はい」と答えた。

「思わないものが出現するっていうのは大変珍しい事なの。そしてそれが意味するのはこの世界のことわりを超えたものかもしれない」そう言うと管理人はお茶を一口飲んだ。

「この世界から、元の世界に帰ると、この世界であったことは記憶から失われるのがここのことわり。でもその貝があることであなたの記憶は消えない可能性がある。そのことを話しに来たの。」管理人は重苦しい口調でそう言った。

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