小鳥さんと暮らす用意

顔を上げると、紳士はいなくなっていた。私は小鳥さんと暮らすのに何が必要か?とテーブルの椅子に座って考え始めた。「小鳥さんは昨日水浴びしてたよね。外に水浴び出来る場所を作らないと」私は立ち上がり小鳥と外に出た。

そういえばここ雨降らないのかな?花壇の水かけもしないといけない。ここに来てから雨は一回も降っていなかった。それとも望めば降るのだろうか?色々と考える。

えっとまずは、「しっかりとした台が欲しい!小鳥さんの水浴び場を作るの!」と言うと腰ぐらいの高さの台が出てきた。「水盆を出して、水を溜めて!」と言うと、水を溜めた水盆が台の上に出てきた。

「ありがとう。これで小鳥さんは水浴びが出来るわ、後は花の水やりだど・・・・。井戸?でもそれだと汲むのが大変かしら?」いろいろ考えているとチチチと小鳥さんが飛んできて「こっち!」と言うようにドア横に向かう。ドア横に石が積みあがっていて、その隙間から水が流れ出していた。「このままだと汲みにくいわね。水の出口に管を刺して下さい!」そう言うと管が出てきて、水は管の先から出るようになった。「これを汲めばいいわね。手桶と柄杓を出してください!」出てきた手桶に水を溜め柄杓で花壇の水やりをした。「ここに水があれば、掃除とか小鳥さんの水盆の水も自分で変えられる。良かった!」

小鳥は早速水盆で水浴び。終わると羽を乾かしながら羽繕いを始めた。私は水やりのあと、椅子を出してその様子を見ていた。穏やかな時間が流れる。

「小鳥さん、ご飯は家の中で食べる?」と言うと小鳥はうなずいた。「私が食事するときに穀物と水を出したらいい?」小鳥がまたうなずく。家の中には止まり木がいるかな?2階に夜休めるようにしないとね。色々考えるのも、言ったことに反応があるのもとても楽しい。その日は大半を庭で小鳥と過ごした。

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