小鳥さんの嬉しい話
チチチと小鳥が帰ってきた。紳士と何やら話をしていたが、「そうか許可が出てんだね。良かったね」と紳士が言うと小鳥は嬉しそうに囀った。
「あの~小鳥さんなんて?」と私は紳士に聞いた。「小鳥がね、あなたのことがたいそう気に入って、元の世界に帰るまで一緒に暮らしたいと。その許可を管理人に聞きに行って、許可が下りたんですよ。今からあなたが帰るまで小鳥はこの家で暮らすことになります」と紳士は話した。
「え、小鳥さんと一緒に暮らせるの!嬉しい!!」と思わず私は叫んでしまった。小鳥は私の肩に止まってチチチと挨拶する。私は「小鳥さんよろしくね」と言葉を掛けた。
その様子を微笑むように見ていた紳士は「さて、私の用事は済んだしそろそろお暇しよかな。うん!その貝のペンダントは?」紳士は私に尋ねた。
「昨日浜辺で拾った貝で作ったんです、あの~いけませんでしたか?」とおずおずと私は答えた。
「いえ、そうですか。その貝は大事にしてください。あなたのお守りになりますよ」と紳士は答えて、「それではまたね」とドアから出て行った。
「ありがとうございました」私は深々と頭を下げた。
家を出た紳士は、「珍しいことがあるものだ貝の方から出現するとは。それに、貝を身につけようとするとはね・・・」と独り言を呟き家を後にした。
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