不思議な本
夕食を食べて、疲れたし早めに寝ようと二階に上がった。寝巻に着替えて、ふと窓の方を見ると机があり一冊の本が置いてある。「え!朝あったっけ?」と思った私は机に近寄り本を手に取った。『癒しの世界』表紙にはそう書かれている。絵本ぐらいの大きさで、あまり厚くない。私は椅子を出して座り本を読み始めた。
表紙をめくると『この世界は、体や心が疲れた人が来る世界です』と書かれてる。
次をめくると、『この世界にいるときは元居た世界の時間は止まります。』
次をめくると、『この世界は思ったこと、言ったことがそのまま表れます』
次をめくると、『心と体が癒えた人は元の世界に帰ります』
管理人さんが言っていたものね。と思いながら最後のページをめくった私は、書いてある言葉に目が釘付けになった。
そこには、『この世界から帰れない人がいます』と書いてあった。
帰れない人がいる?え!私、帰れないかもしれないの?そう思った時私は自分が帰る気だったことに気がついた。仕事に追われ疲れていたときはそこから逃げ出したかったのに。
ここに本があったってことは、帰れない可能性を知らせに来たってこと?どうしよう、確かめないといけないけど、PCもスマホもここにはないし。誰かに聞くしかない。その時、『何かあったら頼りなさい』と言っていた管理人さんの姿が脳裏に浮かんだ。もう夜だし、明日管理人さんに聞いてみよう。管理人さんに私の声が届くといいけど。
海まで行って疲れていたので、ベットに入るとすぐ眠ってしまった。
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