日暮れ、家路

チチチ、小鳥の鳴く声に私は目を覚ました。日が傾き始めている。「やだ!もうこんな時間!帰らないと。小鳥さん起こしてくれてありがとう!!」私は立ちあがり靴を履いて、シートなどを片付けた。帰ろうと歩き始めたのだが、波打ち際に光る物がある。近寄ってみるときれいな貝殻だった。「きれいね!持って帰ろう、ね、いいよね!」小鳥に話しかけるとうなずいたので、貝殻をポケットに入れ家路を急いだ。

途中で一休みして、丘を登り切った。ハアハアと息を切らして振り返ると、日が水平線に沈み始め周りは夕焼けの柔らかい光に包まれた。その美しさに私は見とれてしまいしばし立ちすくんだ。日はだんだんと沈み周りが闇に包まれ始める。チチチ小鳥が鳴く「そうね、帰らないと」私は家路を急いだ。

家のドアが見えてきたところで、小鳥は帰っていった。「小鳥さん今日はありがとう!」と叫ぶとチチチと鳴いて姿が見えなくなった。

ドアを開けて家に入り、「汗かいたし、シャワー浴びたい!」と言うと、フロアーの隅に明かりがついた部屋が出来た。中に入るとシャワーの設備がある。私は服を脱いで「温かいお湯を出して欲しい」と言って、コックとひねった。暖かいお湯が疲れた体に心地いい。髪と体を洗い。タオルを出して体を拭いた。「服を着替える、前に着ていた服は片づけて!」と言うと民族衣装のような服が出てきたので着替え、外出した時の服は片づいた。「あ!貝殻はどこ?」と思って探すと、貝殻をテーブルの上で見つけた。

「海、奇麗だったな~。行ってよかった」私はテーブルに座り、貝を見ながらしばし余韻に浸った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る