老婦人は管理人

コーヒーを飲みながら、2人でしゃべっていると、窓辺で小鳥が鳴き始めた。

老婦人は、「わかった、行くと伝えて」と小鳥に話しかけた。それを聞いた小鳥は飛び去って行った。

「さて、私用事ができたからそろそろお暇するね」老婦人は立ち上がってドアの方に向かおうとした。

「待ってください。聞きたいことがあるんです」私は思わず呼び止めた。老婦人が振り返ったのを確認して「あなたは誰ですか?また会えますか?」と聞いた。

老婦人は「私はこの世界の管理人よ。また会えるかどうかだけど思いが形になる世界だからあなたが思えば私に届くと思うわ。私が来れないときは別の人を行かせるからどうしてもの時は頼りなさい。じゃ行くね」それだけ言うと老婦人はドアの方に向かって歩き出した。

「色々ありがとうございました」私が深々とお辞儀をして顔を上げたときには、彼女の姿は消えていた。

あの方はこの世界の管理人。その言葉が私の心に何回もこだました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る