ここはどこ?

「小鳥の声?眩しい。もう朝?」うっすらと目を開けてみる。「確か昨日の夜駅前で・・・・。え!私ベンチで寝てしまったの!帰らないと!」

立ち上がろうとした私は周りの景色が信じられず「うそ!ここはどこ!なんでこんなところにいるの?私駅前にいたはずなのに!」と思わず叫んだ。

ベンチに座ってはいるのだが駅のベンチとは違った木製のベンチ。小高い丘の上に据えられている。後には大きな木があって、葉の間から木漏れ日が差し込んでいた。地面は草花でおおわれている。

私は通勤の服ではなく、民族衣装のようなものを着ていた。持っていたはずのかばんも身に着けていた腕時計もアクセサリーも無くなっている。眼鏡をかけていないのに良く見える不思議。布製だろうか柔らかい素材の靴を履いている。

空は真っ青で、遠くには海が見えた。さわやかな風が髪をなびかせる。

「これからどうすればいいの?」自分が置かれている状況が呑み込めず、私はぼーっと景色を見ながらベンチに座るしかなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る