第352話 瑠々への出演依頼(一)
翌日、朝早く
「どうぞ、こちらへ、美香先生たちがお待ちです」
美香先生たち……その言葉に園香たち三人は顔を見合わせた。葉月に案内されて応接に入ると、応接で美香たちが待っていた。
美香、
以前、大阪に『ライモンダ』の公演を観に来た時、公演会場であるホールの客席入口で、園香たち三人は彼女を見たことがあった。その時、キビキビとした感じの彼女は
女性が園香たちに微笑みながら言う。
「あの時は大変失礼しました。真美ちゃんから紹介されて、あなた方三人、いらっしゃいましたね、あやめさんや
「
園香が言葉を添える。
「本当にあの時は失礼致しました」
「いえいえ、あの時は、お忙しそうでしたね」
真理子が微笑みながら言う。
「ところで、瑠々の公演出演の件ですが、よろしくお願いします」
そう言って
「あ、ありがとうございます」
真理子のお礼の言葉に合わせ、すみれと園香も頭を下げる。
「昨日、先生から連絡をもらい、すぐに主人にも連絡して、幼稚園の先生にも言って、花村バレエのお稽古を優先させてもらいなさいと言われまして……幼稚園の園長先生は主人の親族の方なんです。いつも、いろいろ聞いて頂いていまして、今回は今から公演が終わるまで一ヵ月間、お休みをさせて頂くことにしました」
「昨日、電話で無理を言って、一ヵ月間、
「美香先生、もう一度、改めて、
頷きながら美香が言葉を続ける。
「ということで、一ヵ月間、
「ええ!」
園香たち三人が顔を見合わせて驚く。
「私もここのレッスンは他の先生に任せて、一ヵ月、花村バレエに行くから、ここのバレエ教室も春まで発表会はないから」
園香たちはもう一度顔を見合わせて驚いた。
美香はそこまで言って、一度、
「
「タンバリンとプウちゃん持って行けるんやったら行ったるで」
「持って行ってもええ。じゃあ、先生と一緒に行くで。幼稚園のクリスマス会は出られへんけど、ええな。後でプレゼントくれるから」
「うん」
大きく頷く。
そこまで言って、一息入れ、美香はもう一度、真理子たちに言う。
「瑠々の出演はOKや。ゲスト料なんかいらんわ。出演料払わないかんぐらいかもしれんからな」
真理子が言葉を
「お二人の旅費と宿泊費、お母さんが来られた時の旅費と宿泊費は出させて頂きます」
と言うと、美香が微笑みながら、
「ありがとうございます。ところで、折角、出演させて頂くんやったら、今度の公演、関西からもいっぱいバレエ関係者が観に行くみたいやし、パンフレットにうち教室の広告出してくれますか?」
「え、それは全然」
真理子が、一瞬見せた、動揺したような表情を園香とすみれは見逃さなかった。
すみれが微笑みながら
「美香先生、ありがとうございます」
と言った。園香と真理子も合わせて礼を言い頭を下げた。
すみれが
「
園香も、もう一度、
「
と言うと
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