第301話 避けては通れないお金の話(三)チケットノルマ
ここまで聞いて、真理子とあやめにとっても、まったく悪い話ではないと思った。
オーボエの
「チケットノルマのようなものが、出演者の方々にも多少はあるでしょう。記念公演は皆さんの晴れの舞台ですから、生徒さんも身内の方やお友達には、是非、観に来て頂きたいです。でも、もし売り切れなくて、自分で
なんという人達なのだろう。真理子とあやめは顔を見合わせる。
「有りがちなことだと思うんですが、チケットのノルマは主役や重要な役柄の人の枚数が多くなりませんか? そこは出番の少ない人より出番の多い人、主役の方なんかが多くなりがちでしょう。でも、実際のところ、主役の
驚きを隠せない真理子とあやめに、
「先程、オーボエの
真理子とあやめも、あまりに思いも掛けなかった提案ではあったが、これは受けない手はないと思った。
「まあ、突然の思い掛けない提案ではあると思いますので、今すぐ即答は求めませんが、この提案、花村バレエさんにとって、何のリスクもないと思いますし、何か別のメリットと引き換えに選択しなければならない提案でもないと思います。お返事を待っています」
真理子とあやめは、数日後に返事をするということで、その日は新高輪フィルハーモニーを後にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます