第286話 レッスンが終わって 美和子と香保子
レッスンが終わり美和子と
「あの人たち本当にすごいね」
「そうでしょう」
「この後レッスン受けるって言ってたけど、次のレッスンまで、まだ、かなり時間あるわよ」
園香が美和子たちに言うと、
「今日は特に予定もないから大丈夫」
と美和子も香保子も言う。美和子たちはそう言うが、この後のレッスンのスケジュールが分かっているのだろうかと園香は思った。
「この後、一時間ぐらい時間が空いて、その後にキッズクラスっていう小さい子たちのレッスンがあるんだけど……その後だよ、私たちの受けれるレッスンって」
「その間、見学してちゃダメかな」
「別にいいと思うけど」
「じゃあ、見学するよ」
「そう、一応、美織さんたちに聞いてくるね」
園香が美織たちに聞くと、見学することは別にいいと言う。
美織が二人のところにやって来た。つい先程レッスンの中で、二人の想像を超えるほどの美しさと、見たこともないような高度なテクニックで踊っていた美織が二人の目の前にやって来た。美和子と香保子は羨望の眼差しを向ける。
美織は微笑みながら優しい口調で二人に話し掛ける。
「さっきのレッスン、どうだった?」
「すごく勉強になりました」
笑顔で答える美和子と香保子。
「そう、それはよかった。次のレッスンも受けるの?」
「はい」二人が声をそろえて答える。
「熱心ね。それまで、見学するのは全然いいけれど、この後、文化イベントの練習をして、更にその後、キッズクラスのレッスンもあるのよ。次のレッスンは五時からなんだけど……」
「大丈夫です」
「そう、まあ、別に途中で、どこかに行ってきてもいいし、その辺は私たちがレッスンしてる間も自由にしてもらっていいから」
美織は微笑みながら、そう言って、すみれや真美、理央のところに行った。
園香が、美織が言ったのは、今から文化イベントの練習が始まるが、途中で稽古場を出るのも別に気を遣わなくていいということだと伝える。
そして、二人に「これを使ってもらっていいから」と椅子を用意するが、先程のレッスンで思うところがあったのか、二人とも「ストレッチをしながら見ている」と言う。園香も「それはいいことだ」と言って、美織やすみれの手伝いに行く。
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