第269話 気になる園香たち
「優一さん、すみれさんって、どうしてあんなにすごいんですか?」
園香の言った一言は周りにいた全員の注目を集めた。園香たちのテーブルだけでなく、隣のテーブルに座っていた
つまり、花村バレエのメンバーだけでなく
すみれに憧れを抱き、着る物も身に付ける物も、すみれと同じ物にするほどの
園香は後から聞いた話だが、
瑞希と恵人は小さい頃から小学校の高学年まで、自宅である
二人が
◇◇◇◇◇◇
すみれの子どもの頃の話は、彼女の同期、彼女の先輩でなければ、
そして、誰もが弟の優一なら知っていると思いながらも、すみれの個人的なこととあっては、何か彼女のことを
バレエ団で、神とも呼ばれ、雲の上の人という感じのプリンシパルすみれの事である、誰もが気軽に聞き回るようなことができなかった。
優一が園香に微笑みながら聞き返す。
「どうして、あんなにすごいかって?」
園香ばかりか周りにいた者全員が頷く。
優一は少し考えるようにして、
「どうして、すごいかってことについての答えにはなってないかもしれないけど、彼女が小さい頃、どんなだったかってことなら話せるかな」
皆が興味津々という感じで優一を見つめる。小さな唯も、真由も興味深そうに優一を見る。
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