第244話 九月通しリハーサル第一幕 はじまり

 とおるがバレエ『くるみ割り人形』の前にある物語を話した後、第一幕のあらすじをナレーションする。


◇◇◇◇◇◇


 舞台の中央で、優一の演じるドロッセルマイヤーがクリスマスパーティーで子どもたちに渡すプレゼントを準備する。袋の中に大切な『くるみ割り人形』を入れて屋敷に向かう。舞台の上手かみて(客席から見て右て)に歩いて行く。


 舞台は景色を変えシュタールバウムの屋敷に向かう町の通り。

 舞台下前しもまえ(客席から見て左)から上前かみまえ(客席から見て右)に四組の家族が歩いて行く。

 一組目はゆいの家族だ。雪の降る通りを歩いてくる。可愛らしいフード付きのストールを身に纏ったゆいが空から舞ってくる雪を見上げながら楽しそうに歩いてくる。大人クラスの千春と男性の出演者がお母さん役、お父さん役で後を歩いてくる。

 続いて真由の家族がやって来る。真由は通りに積もった雪を手に取り宙に舞い上げる様にして楽しそうに屋敷に向かう。

 四組の家族が通り過ぎた後、黒いマントをひるがえし、ドロッセルマイヤーの優一が舞台を下手しもて(舞台左手)から上手かみて(舞台右手)へ颯爽と歩いて行く。

 そして、シュタールバウムの屋敷に入って行く。


◇◇◇◇◇◇


 ここで舞台の中央を仕切っていた幕が上がる。


 幕が上がると一転して舞台は明るくなり、シュタールバウムの屋敷の大広間になる。奥には綺麗なクリスマスツリー。華やかなパーティー会場に変った。広間はパーティーに招かれた、たくさんの子どもや大人たちで賑わっている。

 舞台の上手奥かみておく(右手の奥)の方から、今、屋敷にやって来たゆいの家族や。真由の家族が入って来る。

 次々とやって来る客人たち。

 そして、ドロッセルマイヤーの優一がやって来ると、広間にいたクララ(由奈ゆな)とフリッツ(信也しんや)は大喜びで彼のところに駆け寄って来た。


 シュタールバウム役のとおるとシュタールバウムの奥様役のあやめが、集まった客人たちに挨拶し、華やかなクリスマスパーティーが始まりました。


 集まった子どもたちが『行進曲(マーチ)』に合わせて楽しく踊ります。

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