第228話 喫茶店エトワールで 寿恵、古都
「ところで、すみれさんや
「もう、今は、そうでもないですよ。いつものバレエ団に戻った感じです」
「え、でも、まだ、いなくなって間もないんじゃない」
「そうですね、本当にいなくなってから、まだ時間が経ってないかもしれませんけど、実際には
「へえ、その頃が大変だったのね」
「五月に三人がいなくなって、その後『白鳥』の配役が決まった時、すみれさんがオデットかと思ったら、
話をしているところへ
「
「あ、
「いいの、いいの、私もちょうど、バタバタのとき帰って来たもんね」
真美が気にするように、
「主要な女性三人と優一さんがいなくなってもバレエ団は大丈夫だったんですか?」
「まあ、バレエ団はね、あなたたちが東京に来た時も、うちのバレエ団『白鳥』の全幕公演と『ドンキ』の全幕公演を同時に上演してたの知ってるでしょう。人員的には公演をするのに全然困らない感じなのよ。ただ、気持ちの問題は乱された者も多かったかなあ。美織とすみれ、瑞希はバレエ団の中でもファンが多かったからなあ。それに男性陣の間で、優一の存在は大きかったしね」
園香も真美も、その状況は十分理解できた。
「でも、そんな団員の気持ちが一番よくわかるから、すみれはギリギリまでバレエ団に残ったんだと思う。
「え? 誰なんですか」
「
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