第215話 花のワルツ、終曲のワルツのリハーサル前に
『雪の場』が終わって、この後『花のワルツ』のリハーサルに入る。
「
「え、ああ、女性の一人はレベルの高いダンサーって言ってたから、すみれでしょ。男性は、多分、和也と
「え、今回来てないのは、今、何か舞台に出てるんですか?」
「ええ、そうみたい、うちの公演ではないけど、皆それぞれにゲストでいろいろなとこのリハーサルに行ってるみたいで……次回からは、こっちのリハーサルに来るようにしてるから」
「ふうん『
少し不安そうな表情で呟く瑞希。それを察するように
「そうね『
「その『最後のワルツ』にも、和也さんや哲也さんも入るんですよね」
「そうでしょ『外れて』ってわけにはいかないんじゃない。最後だし、それに『花ワル』にも出るわけだし……どうして?」
「だって、キッズの小さい子どもたち、あれに更に大人の男性四人が加わった状態で踊ったことないんですよ」
「本番までに、全員がそろった状態で踊る回数が少ないと、さすがにキッズの子どもたちは危険よね。この前も高校生の女子とぶつかって転んだ子がいたわね」
「そう、
「見てた。わかってる」
「今回も『花ワル』と『最後のワルツ』は、すみれと、佐和ちゃん、
「あ、それに真美ちゃんが入るんです」
瑞希の言葉に、
「そうみたいね。すみれから聞いたわ。真美ちゃん『花ワル』と『最後のワルツ』に入るそうね。実はこの前のリハーサルでキッズの小さな子が高校生とぶつかって転んじゃったのよ」
「ええ、それは危険ですね」
「そう、さすがに、これだけ人数が多くて、結構、曲のテンポも速かったりすると、実際に人がいない状況で、そこに人がいることを想定して動くというのが難しくなるのよね」
「そうですね」
真美は前回のリハーサルを見ていない。それでも『くるみ割り人形』の全幕に出演したことのある彼女は、経験的に、その場面、状況が十分理解できた。真美は
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