第198話 リハーサル 客席で
広い!
ホールの客席の中央、恐らく本番では
いつか、この舞台のセンターで主役を踊っているであろう力強い何かを感じさせた。いつも持っている小さなタンバリン。
「
と唯を手招きする。唯が
◇
すみれが微笑んで美織に話し掛ける。
「あの子、昨日は唯ちゃんに負けたかのような、そんなものを感じさせたけど、今の彼女の背中……四歳の
美織も微笑む。
「本当。彼女を一瞬でも可哀そうなんて思ったのが間違ってたみたい。彼女は、みんなが思っている以上に強い子ね。まだ小さいからわかってないとかじゃなくて、本当の強さを持ってるわ。たぶん唯ちゃんのライバルで、唯ちゃんの一番の親友になるかも」
「本当ね」
「すみれさん、ちょっと気になってたんだけど、あのタンバリン、エスメラルダのタンバリンですよね」
「そうね」
「あれ、誰が
「そうね」
真美が間に入って話す。
「たぶん、美香先生じゃないかな」
「え?」
「もちろん、あの小さな
「そうなの。でも、タンバリンなんか持たせたら、やかましくならない?
「まあ、美香先生とこは、美香先生の怒鳴り声とか、
真美の言葉にすみれや
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