第193話 きっと永遠のライバル 唯と瑠々
「それ、その踊り、最後まで踊れるん?」
「うん」
「踊らんでええ」
「唯ちゃん、あんた、すごいな。でも、もう踊らんでええわ。また、もうちょっと大きいなったら、その踊り見せてや。そやなあ、トゥシューズ履けるようになったら、また見せてや……な」
唯が
「ここにいる先生みんな、今度、唯ちゃんが踊るキャンディ見せてもらいに行くつもりやから」
宝生が微笑み、唯の頭を優しく撫でる。
唯がすみれと
「今、唯ちゃんに、その踊り最後まで踊られたら、ここにいるみんな、自信失くして今回の舞台踊れんようなるわ」
そう言って唯に微笑んだ。
「唯ちゃん、すみれさんや
唯が笑顔で
「今、三歳。もうすぐ四歳になるの」
「唯ちゃん、あんた、きっと、すみれさんや美織さんみたいになるで」
そして、
「
頷く
「あんたは美香先生に鍛えてもらい……な」
宮崎美香がすみれと美織のところに来た。
「すごい子やな。唯ちゃん」
すみれと美織が唯の頭を撫でながら頷く。唯が二人を見上げる様にして微笑んだ。
美香が遠目で見る様に唯を見て、もう一度、
「でもな、うちの
そう言って微笑んだ。
そして、いつも持っている
「
真美が
「素直やん」
と言うと、
「おかえり」
と言って微笑んだ。
「なんや、一々、ませたこと言うなあ。普通このシチュエーションで四歳の子から『おかえり』って言葉出てくるか?」
真美の言葉に稽古場にいる皆が笑った。
「あんたたち二人は近い将来、どこのコンクール行っても必ず顔合わせるようになるで、バレエやってる限り、ずっとライバルや」
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