第174話 もう一度唯と一緒に
「おはようございます。おはよう唯ちゃん。唯ちゃんはいつも早いねえ」
「うん、今日は一番に来たの」
「そうだね」
「唯ちゃんは夏はどこかに行く?」
「うん、唯はねえ、大阪に行くの」
「ええ、遊びに行くの?」
お母さんが間に入って園香たちに説明する。
「親戚がいるんです」
「へえ、唯ちゃんは、この夏は東京行ったり、大阪行ったり楽しいね」
真美の言葉に、
「真美先生と園香先生は、どこか行くの?」
「え、先生って呼んでくれるの」
頷く唯。
「うん、私はお家が大阪やからね。お家に帰るの」
唯が首を傾げる様にして、
「真美先生、いなくなっちゃうの?」
「違う違う、また、帰って来るよ」
「ふうん」
なんだか、唯に対しては説明が難しいので、もう一度、また、すぐ帰ってくると言うと、唯が微笑んだ。園香が付け加える様に、
「私も学校の試験が終わったら、お稽古も少し休みなので、真美ちゃんと一緒に大阪に行ってみようと思うんです」
「また、会えるの」
唯が間に入って、にこにこして聞いてくる。
「ううん、どうかな大阪も広からなあ。今度は会えんかもなあ」
と真美が言うと、唯が少し残念そうな顔をする。
お母さんが、
「今度は何かの用で行くんですか?」
と聞くので、真美は帰省。園香はそれに付いて遊びに行くと説明した。そして、今回もまた、ちょうどその時にある関西のバレエの舞台を観に行くのだと説明すると、唯のお母さんが関西のバレエも観てみたいと言い出し、スケジュールなどを確認して、いろいろ話す中で、結局、一緒に舞台を見に行くことになった。真美が舞台の前日のリハーサルと公演を観に行くというと、一緒に行きたいといい、今回も、その二日間は大坂で一緒に行動することになった。舞台の前日、大阪で待ち合わせてリハーサルと公演を観に行く。チケットは真美が皆の分を手配してくれることになった。
唯が「すみれ先生と美織先生は行くの?」と聞いてきたが、今回は来ないというと少し寂しそうにしていた。
そんな話をしていると、キッズクラスの生徒たちが集まり始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます