第161話 意外な事実を知って驚いた
翌日、
恵人の家では園香も真美も、恵人のお母さんから「今度来るときは
夜遅く瑞希が帰ってくる。瑞希に明日のバレエフェスティバルのBプログラム一日目を観たら明後日の飛行機で帰ることを伝えお礼を言った。
瑞希も微笑みながら「また、四国で会おうね」と言ってくれた。瑞希はこのバレエフェスティバルの間、帰ってきたら、お風呂に入って、すぐに倒れるように眠ってしまう。その日もかなり疲れていた。園香と真美は瑞希の部屋に泊まらせてもらっていた。
園香が、それとなく部屋を見回すと本棚に並んでいるアルバムに目が留まった。たくさんあるバレエ関係の本の並びに卒業アルバムが並んでいる。
「え! 瑞希さんって、あの大学の卒業生なんですか?」
青山青葉バレエ団のすぐ近くにある大学の卒業アルバムが置いてあった。
「言ってなかったっけ」
「聞いてないですよ」
「恵人も、あんなだけど、一応、大学にも行ってるんだよ。単位取れてるか知らないけど」
「ええ、そうなんですか? どこですか?」園香は目を丸くして聞く。
「私とか美織さんが行ってたとこ。ちなみに、すみれさんも」
「え、ええ、そうだったんですか? みんな同じとこの卒業生なんですか」
意外な事実を知って驚いた。園香は、皆、小さい頃から、ずっとバレエをやってきて、高校を卒業して、すぐプロバレリーナとしてバレエに専念していたのだと思っていた。そう言えば恵人も、どこに行っているかわからない時も多かった。
「いるんだよ。幼稚園とか小学校で入学して大学まで行く人。で、青山青葉バレエって、学校から近いじゃない。だから、生徒とか団員にも何人かいるんだ」
「へえ」
「まあ、中学とか高校を卒業してすぐ海外行く人なんかもいるけどね。あ、ちなみに私と恵人、すみれさん、優一さんも小学校からだけど、美織さんは中学校からだよ」
「へえ」
園香は瑞希の言った意味がよくわからなかったが、瑞希や美織、すみれたちのことを見る目が少し変わった。
後からわかったことだが、瑞希が言った「美織さんは中学校から」というのは中学から入るのは、かなり難しいということらしい。
瑞希は「美織さんやすみれさんの学生時代の話も、そのうちするよ」と言いながら力尽きて眠ってしまった。
明日はバレエフェスティバルBプログラムだ。園香たちも眠りについた。
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