第52話 くるみ割り人形 第一幕(十二)通し練習(二)

〇くるみ割り人形とねずみの王様の戦い

 クララ(由奈ゆな)は人形のことが気になり、パーティー会場の広間に一人で向かいます。

誰もいない広間ではねずみたちが走り回っています。怖がるクララ。


 その中に一際ひときわ強そうで怖いねずみの王様(元泰斗げんやすと)がいます。わがもの顔のねずみたちは広間で暴れまわります。

 その時、広間の時計が十二時の鐘を打ちます。恐る恐る様子を見ているクララ(由奈)の目の前をねずみたちを追い払うようにくるみ割り人形(河合恵人かわいけいと)が通り過ぎました。

 追いかけるクララ(由奈ゆな)ですが、くるみ割り人形やねずみたちを見失います。広間の中央まで来て、なにか様子がおかしいことに気が付きます。

 広間のクリスマスツリーがどんどん大きくなっていくのです。何が起こっているのかわからないクララ。


 ねずみたちが現れます。クララと同じ大きさのねずみたち。驚いて逃げるクララ。クララは自分の体が小さくなったことに気が付きます。


 そこへ、くるみ割り人形(恵人けいと)と兵隊人形たちが現れてクララを助けてくれました。ねずみの王様たちとくるみ割り人形たちの戦いが始まります。


 苦戦するくるみ割り人形たち、クララがスリッパをねずみの王様に投げつけます。スリッパに気を取られたねずみの王様をくるみ割り人形は見逃しませんでした。剣でねずみの王様を倒します。


 ねずみたちは退散し、兵隊人形も帰って行きます。


 先程振り付けられたばかりのところだったが、ねずみ役の生徒も兵隊人形役の生徒もよく演技や段取りが身に付いていた。途中で戸惑うこともなく、くるみ割り人形の恵人けいとやねずみの王様役のげんも驚くほど全員が振付と演技をこなした。

 とおるとあやめも青葉あおばと真理子も拍手を贈った。


 くるみ割り人形(恵人)とクララ(由奈)がその場に残されます。くるみ割り人形は助けてくれたクララに深々とお辞儀をします。


 クララはその姿に驚きました。みにくい顔をしていたくるみ割り人形は、ねずみの王様の魔法が解け、気品のある美しい顔の王子になっていたのです。


 ここから昨日練習した「冬の松林の場」につながる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る