友達の代理でVtuberになったら予想外に人気が出て困ってます

伝説になってた②

　4期生に突如として加入が決まった友ちゃんの評判は、視聴者のみならずみかくら高校所属Vtuberの間でも広まっていた。

　新人にして、最大同時接続3万にも及んだデビュー配信は伝説と呼び声の高いみかくら高校1期生デビュー配信の2万の記録を塗り替え、文字通り伝説となった。

　先輩たちの多くは例年通り後輩のデビューについて配信で触れたが、中でも友ちゃんの評価を聞きたがる視聴者は多かった。

　なにせ、今後破られることはないと思われていた事務所の記録を単騎で塗り替えたのだ。それでいて、本来デビューする予定だったVtuberの代理という特殊な立ち位置。

　視聴者が面白がるのもむべなるかなである。

　新人のことについて意見を求められることも、事務所所属Vtuberの定めというものだろう。

　それでは各先輩ライバーの反応をダイジェストでお送りしよう。

　1期生：洲古（すこ）すこる＆戸々野（とどの）つまり（コラボ配信内にて）

すこる「友ちゃんとは一回会ってるんだよね〜」

つまり「そうだね。第一印象なんかあった？」

すこる「こんな純朴そうな子がこれからみかくら高校で汚れていくんだと思うとそれはそれは興奮致しました」

つまり「あ〜、ごめん聞くんじゃなかったわ」

すこる「なんでよ！」

つまり「まあ、擦れてない感じはしたよね」

すこる「素人っぽい感じがよかったね〜」

つまり「ﾌﾌｯ……なんでいちいちそっちに結びつけるん」

すこる「ん？そっちって？」

つまり「え？」

すこる：「え？」

つまり＆すこる「………………」

すこる「むっつりで草」

つまり「黙れよ！？」

　1期生：枡田（ますだ）にぱ（Twitterスペースにて）

「またすごい子が来たね。4期生皆すごいよ？　なんか年々さ、先輩のいいとこどりみたいな後輩がどんどん入ってくるやん。その年その年前年度をさらに超えていくけど……ここに来て真打ち登場って感じやん。これ以上私の劣等感を刺激しないでくれよ……後輩がでけえよ……あの、すいません、こんな小物な先輩でも仲良くしてくれますか……ね……？」

　2期生：霊岳（たまおか）カタル（雑談配信内にて）

「期待の新人過ぎて……なんか、もっと頑張ろって思った。4期生皆凄いよね。私がやってきたことってなんだったんだろって思っちゃうくらい、最初から能力高いもん。え？ネガティブすぎ？そうだよネガティブだよ。私は元からこんなもんだろ。お前らが引いてるんじゃねえよ。へらっても愛せよ！」

　2期生：舎布（しゃふ）哀玲（あわれ）（ゲーム配信内にて）

「あ〜、友ちゃんね。ハレ○レダンスよかったね〜。いや、ハ○ヒリアタイしてたから普通に懐かしかったわ。ダンスとか好きなんかな？　みかくら高校に入って一年くらい経つけど未だに振り付け苦手やから教えてもらおうかなあ」

　2期生：イナバ（ヤクルト1000、100本大飲みチャレンジ企画内にて）

「うぷ……あ、そうそう……4期生の初配信リレー観たで〜……もう皆めっちゃかわよやったわあ……友ちゃんの印象？　面白い子だなって思ったよ〜……でも代理ってことはやめちゃうん？　せっかく仲良くなれてもいなくなってもうたら寂しいなあ……」

　3期生：駿河（するが）するめ（美少女プラモ組み立て配信内にて）

「友ちゃん2Dはよ！！　3次元には興味ねーんだよおおおお！！」ダンッ（台パン）

　3期生：ななおなお（みかくら高校ライバーのお絵描き配信内にて）

「何かにつけてちょっとエッチなイラストを見せつけてどんな反応するか観察したい。意味もなく「ちんすこう」って言わせたい」

　3期生：紅森（こうもり）ちょび（ゲーム配信内にて）

「友ちゃんさんFPS好き！？　今度こそFPS同士増える！？　まじで箱内でFPSコラボできるの舎布先輩だけだからお願いします！！」

　以上が友ちゃんの配信を観た各ライバーの反応である。

　その他にもみかくら高校のVtuberを担当するイラストレーターや、公式漫画家などといった関係者たちもTwitterで反応を示した。

　※友ちゃん初配信時の感想ツイートから引用。

　lippin（りっぴん）（霊岳カタル担当）

「これがみかくら高校なんだよなあ」

　あおしおうし（友ちゃん、井手駒こます担当）

「私が見繕ったお洋服はどこに置いてきたのかな？」

　湯谷すず（みかくら高校公式漫画「みかくら高校ダイアリー！」原案＆作画）

「友達思いのいい子...いい...」

　多くの仲間が見守る中、友ちゃんはデビューを果たした。

　彼女が次にどんな配信をするのか、気になるところではあるが初配信から三日が経過してからもYouTubeの更新はない。

　次の配信はいつかいつかと期待するのも分かるが、彼女の無理のない範囲で活動を楽しんでもらいたい所存である。

　ライター…塩屋れお