第184話 サンフィッシュ領

さて砦の側まで行くと、多くの兵士が頭を下げている。

その中で少し偉そうな人物が、白旗を持って近づいて来る。


「先程は大変失礼しました、降伏しますので命だけはお助け下さい」ぺこり。


誰に交渉を任せるか? 君に決めたオーロラ!


「分かりました、それでは私が降伏の交渉をします、まず貴方の地位はどの位です?」


「はいこの領を治めています、領主のマーボンですよろしくお願いします」ぺこり。


「まあ領主さんなら交渉は早いわね、この先に街があるならそちらで交渉をしましょう、よろしいですね旦那様」


「あゝオーロラに任せる、そちらの怪我人はいるのか、また死人はどうだ」


「え〜と、今の所は奇跡的に死人は出ていません、ポーションで治る傷が大半ですが、持っている量が足りません」


「そうかならお茶を薄めて渡すから、飲んでみてくれ。治ったら街まで行進だ」


マーボンは渡したお茶を、ポーションだと皆に配って直している。


「なぁメリッサ、あのオッサンの顔は、魚のマンボウに似ていないかな?」


「分かりますか流石旦那様です、オーリン共和国の大半は魚人族の一団です」


「ならメリッサも人魚姫なの?」


「言いたくは無いですけど、そうです」


「メリッサは何の種族なの?」


「言えません、言いたくありません」


「教えてよ、旦那に隠し事は禁止だよ」


「あら散々隠し事をしていた旦那様の言葉とは思えませんね。でもメリッサちゃん、教えとかないといけませんよ」


「もう・・・・・・です」


「聞こえないよ、もう一度ね」


「シャチとシロナガスクジラとの子供です。種族的な物は、シロナガスクジラです」


「海の殺し屋と、世界最大の種族の娘なんだ凄いな」


「旦那様、こんな種族で嫌いにならないで下さい、お願いします」


「何で嫌いに成るの、分からないんですが?」


「だって海に入ると体が大きく成るのよ、足がヒレに変わるのですよ」


「このキャシャな体がどうなるのか、見てみたいよな〜みんな!」


「嫌です、ぜーたいにいや! もし見せるなら旦那様だけですよ」


「そうか俺だけの特典か、嬉しいな」メリッサの頭を撫で撫で。


「旦那様私も本当は体が変わりますよ!」


「オリビア変わるの?」


「はい私はエルフです、耳の位置が月夜に変わりますよ本当は」


「本当はて、何故変わらないの?」


「夜は旦那様のベッドにいるので月は見ませんから!」


「それもそうか、なら今度は月の下で夜にでもね」


「もう旦那様たら、ただ見せるのは旦那様の特典ですからね」


「ハイハイ」オリビアの頭をなでている、ただ殺気がすごい。


「まあまあみんな妊娠すればお腹の体型は変わるからね」


「なら抜きの刑2日ね、タップリと妊娠させてください」


「そうそう私も変身出来ませんからね」


マールとオーロラの言葉が、冷たい気がする。


なんだかんだと街に着く、名前はサンサン街。


それから門を通り、お城の様な所に連れて行かれる。







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