第166話 この世界に化粧を
周りを囲まれて逃げる事も出来ない俺、今俺の周りには、飢えた狼が俺の身包みを剥ごうとしている。
「エイルとユーナが居ないけれど、後で報告すれば許してもらえるよね」
「そうですよ、この機会にある物を出させましょうよ」
「まあマーサー王よ、この世界の発展のためじゃ大人しく全てを出すのじゃよ」
「そういえばアヤと母さんは何を持って来たんだ?」
「私ィ私わね、水と缶パン・魚の缶詰はマグロフレークとサバの味噌煮の缶詰、それからテイシユ・タオル・替えの下着・石鹸・ウェットテイシユお出かけ用の化粧品と鍋・ガスバーナーよ」
「妾は色々な物を持って来たが、最初の混乱で殆どの物を消失した」
「無くしたのはこれか?」
俺は乾電池式のヘアーアイロンを出す。
「おおそれじゃよ、何処にも無いので諦めていたが見つけてくれたのか」
「いや、ヘキニ王国を制圧した時の戦利品だよ、なら他のも母さんのだな」
俺は分からないと言った魔道具を出す、あの時は知らないふりをしたが嫁達が騒がない様に黙っていたのだ」
先程のヘアーアイロンから始まり、折りたたみハンガー・携帯ドライヤー・サングラス・カードゲーム・アイマスク・歯ブラシセット・ホットカーラー・毛玉取り・シェイバー(ムダ毛処理器)・青竹踏み、そして化粧箱(中身色々)等だ。
ただ最後の化粧箱の中身が問題だ、見せれば戦いになる。
「どうしたマーサー、何を不安がってる?」
「女帝様、旦那様は最後の物を戦いの合図と言っています」
オリビア言うなよ。
「なら己のスキルでコピーして分けてあげれば良いだろー!」
「あげれば売る事は出来なくなるよ、良いの」
「この世界の女性の肌に合うか試す他じゃよ、いわば検体だな」
「旦那様その箱の中は、危険な物ですか?」
「マーサーよ、もうコピーはしてあるな」
「ああ」俺は頷く。
「ならこれはコピーした物だな! 妾が試して見るので少し待て」
女帝は化粧を始める、前や裏からも鏡に映る顔をみんな見ている
少しして、軽く化粧をしてみんなにみせている。
「どうじゃよ、少しは美しくなつたかえ」
「女帝様凄いです、まさかそれ程とは」
「凄いこれが化粧」
「私もなりたい、もっと綺麗になりたい」
周りで女帝をみんなが褒めちぎっている。
「まあまあそれ程でもホホホ、しかしもう少し時間が有ればもっと良くなる、そして他の女より一歩前に出れるな」
「お母さんだけずるいよ、私はお出かけセットしかないのに」
「アヤは少ししか持って来て無いのか?」
「大人と子供の差よ、それにお金もなかったしね」
「まあまあアヤ妾の物を貸すぞ、使ってみよ」
今度はアヤがやってみる。
「私もお姉ちゃんとして実験に加わるはよ」
並んでメアリーが一緒に化粧を始める。
アヤと女帝が色々と指導している。
女の人の後ろで執事総長がメアリーを見ている、何処に隠れていた!
そして2人の化粧が終わり、3人でみんなの前に立つ!
「アワワ、綺麗」
「肌がテカリがある」
「別人見たいよ」
「これが化粧なの」
急にみんなが俺の方に振り向く。
「「「「「「旦那様寄越せ」」」」」」
「「「「「婿殿御慈悲を」」」」」
「待てよ、まずは鑑定しようよ」
「「「「「「鑑定」」」」」」
「女性を美しくする魔法の道具、この世界の女性に美しさを」
「何そんなことしか分からないの?」
「はい此処までです、旦那様何か?」
「皆んな聞いてくれ、化粧品は肌に合わないともっと醜くなる。まず手首か何処か分からない所に塗って肌の検査をしてくれ、それと母さんとアヤは化粧品のつける順番を教えてやってくれ! 俺の鑑定には順番や容量を守れとある、それに24時間以内に落とさないと肌が荒れるとなっている。メイク落としのやり方も教えといて、それじゃ俺がいてはやりずらいだろーから退室する、執事総長出よう」
俺と執事総長が出ようとすると、肩を掴まれる。振り向くと女帝
「マーサー何故逃げる、お前のアイテムBOXの中の物は何も出てないぞ! 此処で待っていろ」
俺は皆んなのまえで正座して、両方の腕を嫁達に押さえてられて逃げられない。
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