第5話 街に向おう

自転車とリアカーを出して、みんなに見せる。


「それじゃこの後ろのリアカーに乗ってよ、最初は俺が漕ぐからね!」


「この乗り物は、一体なんですか?」


「俺の故郷の街で使っている荷物運搬車だよ、人間も乗れば運べるんだ、ここら辺には無いのかな?」


「見たこと有りませんね、乗り物は馬車か馬ですよ!」


「そうなんだ、でも乗り心地は悪いが少し楽に進めると思うよ!」


後ろのリアカーに3人を乗せて、俺は自転車を漕ぐ!


「出発するよ! 最初はのんびりと走るからね、何かあれば声かけてくれよ!」


結構道が悪いので飛んだり跳ねたりしてお尻が痛い。


後ろからは笑い声が聞こえる。


「後ろ大丈夫か?」


3人ともニコニコ。


「歩くより断然早いね」


「これなら楽よね」


「そうそう、飛んだり跳ねたり楽しいよ、もっと早く走ってお兄さん」


「イヤイヤ、ムリムリ、1時間毎に交代でお願いします、よろしくね」


「マーサーさんいつでも交代しますよ」


「前の運転も何か楽しそう」


フンフン、ユーナが何かを嗅いでいる。


「待って雨が降りそう」


「え〜ならハジに寄せるね、何方から来るの?」


「後ろからよ、木も屋根も無いよ隠れる所がないは、どうしよう」


3人は不安そうに顔を見合わせている。


「ならこれを着て見て!」


雨合羽と傘を取り出して着て見せる。


「これで防げるかもしれないから着て見てよ」


「なんですそれ?」


「雨合羽と言うコートみたいな物だよ、着てくれ早く」


3人は雨合羽を着てくれる。


「傘はそのあとに、この様に開いて頭の上に掲げて!」


「な何この雨合羽て言う魔道具は! 水魔法防御カミナリ防御? この傘の魔道具カミナリ魔法&防御! すごい物ね」


「またまたオーバーなこと言って、雨水しか弾けないよ!」


オッと周りが、暗くなって来た。


ゴロゴロピカピカザザーカミナリアブねー、雨強すぎ。


「カミナリ、傘に落ちるなよ」


「この魔道具があれば安心ですね!」


「オリビアの鑑定は、間違い無しよ!」


「私は、音が怖いです」


20分もしたら雨は通りすぎた、この先街の方に向かっている。


「マーサーさん売って下さいよこの魔道具を、いくらですか?」

 

「え〜売り物じゃ無いよ、ただで貸しただけだよ!」


「そんなぁ売って下さいよ、金貨10枚でお願いします」ペコリ。


「えっそんなにくれるの?なら売りますお願いします」


「街に着いたら冒険者ギルドに行って、お金を下ろして払いますね。みんなで金貨60枚でお願いします、よろしく!」


「金貨60枚なんて、もらいすぎだよ!」


「1個金貨10枚なので1人傘と雨合羽2個で3人で6個です、払いますよ!」


「分かったよ、ありがとうございます。とりあえず出発しよう」


「今度は、私が漕ぎます」


「安全運転でお願いします」


はぁ速いリアカー浮いている。


「ユーナさん速すぎるー、もう少し遅くして」


「もっと早くですか〜、分かりました!」


違う遅くして、おーい聞いているか!


後ろの2人は、何故か笑っている。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


その頃の地球の日本!


「さっき警察来たけどさ、何だって?」


「ホームセンターの大穴転落事故で、アシくんが巻き込まれたみたいなのよ!」


「さっきから帰って来ないのは、それが原因だと!」


「近所の人がリヤカーの付いた自転車が、穴に落ちたの見てたんだってさ」


「アシくんだけが落ちたの?」


「他にも居たけど救出されて、近所の人がもう1人居るってね、言ってくれたんだってさ」


「どうするよ、姉さん」


「兄さんに言わないとね、甥っ子が行方不明になったって!」


「そうね、逃げ出したんで、無くて良かった」


「逃しはないわ、いい嫁紹介してさ私の老後を面倒見させるんだから」


「そんな事させたら、義姉さんに怒られるわよ」


「大丈夫ここは東京、バレる前に結婚させるのよ!」


「可哀想なマサシね、こんな女の元で漫画家目指して、行方不明になるなんて」


「何言ってんのよ、こんなに甥っ子可愛がる叔母さんは、他には居ないわよ!」


「物はいいようねハハハ」


「打ち上げパーティーは、どうしようか?」


「出前取るかな、とりあえずは? その後はみんなで相談しよう」




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