CUT 5 四匹の獣人と虜囚の姫
王国守備隊陸上部が要救護対象を発見。
「救護対象。距離200m」
小隊が発見した要救護対象の女性は四匹の獣人にかこまれていた。
「強化人間。獣人タイプ。帝国製咳虚四型(コートタイガー4)と判明」
「補給線チェック。戦車一両支援要求。」
「要保護対象が。。。」
「ヘッドセット装備。ノイズキャンセリング」
他人と事に及んでいる声は余人には拷問でしかない。
「cancer装填。狙撃用意。」
「気づかれました!」
******* *******
救護対象のサーモグラフがその生命反応の極微弱である事を表している。
床のラグの上に全裸の仰向け。
四匹の獣人が四方から責め苛んでいる。
ノクトスコープには半壊した住居と机の上の祭壇が見える。
「奇得教か。地獄の業因を。」
この地域に蔓延した外道の一種で、教祖が杭で打たれて臨終を迎たという地獄界な宗教で、奇跡を好むことから奇得教と呼ばれている。
地域内紛で被害者になる女性が後を絶たない。
「司令部に打電。ZOCを確認しつつ前進。」
******* *******
「打ち方始め。任意に狙撃。敵は四匹だ。落ち着け。」
一発目のcanncer を外して 咳虚が一匹小隊へとダッシュしてくる。
彼我の障害物には八棟ほどの半壊住居。
物陰に隠れつつ接近してくる。
七射目のcanncer をかわしつつ他二匹の咳虚が接近。
「火炎放射器用意。軽機関銃構え、打て。」
最接近していた前衛の咳虚に軽機関銃の徹甲弾が全断命中。
後方へ後ずさるように咳虚が弾圧で吹き飛ばされ、そのまま仰向けに倒れこむ。
残り二匹は接近してきたが家屋の陰に隠れて出てこない。
倒れたウェアタイガーがポケットに手を突っ込む。
「せ。オートフィルター強に!」
閃光が辺りを包む。
爆音が低く空間を揺らした。
閃光弾では無く、戦術核。
爆心の灼熱地獄の中心に立つ咳虚。
「データのとうりです。」
間髪入れずに四発のcancer が打ち込まれる。
咳虚は平然と立って数歩小隊に近づいたが、突然うずくまった。
空を仰いで咆哮する。
「トドメを」
「行動不能だ、捕獲準備。液化窒素用意。」
******* *******
残り三匹は、奥へと、彼らの巣のある方へと敗走していった。
上空を陸戦支援機が四機通過。
二機から二両の戦車が降下してくる。
「バイタル。ブドウ糖点滴。救護班。」
「さてと、目覚めのキスは、誰かな?」
通り過ぎる隊員が呟いた。
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