第68話 第二覚醒
オクタヴィアが距離を詰め金髪の女へ斬りかかる。女は大きく宙返りし、攻撃を回避する。
「生者を蝕む石の針の記憶、減速術式ラプスニードル!」
金髪の女が飛翔しながら放った大量の石の針がオクタヴィアへ襲いかかる。オクタヴィアはハルバードで針を払いのけながら追撃を諦め後退する。
……ディアスが膝をつく。筋力が低下し手持ち大砲を床に落とす。
「オレの身体が……」
「おい!ディアス!大丈夫か!?」
アンリが氷弾を金髪の女へ蹴り飛ばしながら、ディアスへ呼びかける。
「ぐっ、うううっ、ああ……」
ディアスが床に倒れ、うめき声を上げる。彼の身体が萎んでいく。
「岩津波」
女の足元の石材が溶け、大きな波が生じ、床に倒れこんだディアスへ襲いかかる。
「くっ、波の速度が速い!」
アンリは氷壁を形成し、ディアスへの攻撃を防いだ。
「オクタヴィア!ディアスを……」
……オクタヴィアはハルバードの連撃を金髪の女に向けて放つ。対する金髪の女は床の石材から石剣を形成し、オクタヴィアの連撃を受け流していく。
「こいつ、オクタヴィアの相手をしながら、魔術を行使してるのか……」
石の波を氷壁で防ぎながら、アンリは金髪の女の様子を伺う。
「……只のシェイマじゃないな、こんな廃村で何を……」
金髪の女は形成した石壁や石剣でオクタヴィアの激しい連撃を捌きながら、ディアスへ左手を向ける。
「そろそろね……」
「はあ……はあ、うっ、ぐぐあうっ……」
ディアスの身体が痙攣し、呼吸がより激しくなっていく。
「身体が溶ける……眩暈が……ぐあっあああああ!」
ディアスの身体が萎んでいき、肉体が変異していく。
「はあ……はあはあ……」
……軽くウェーブのかかった銀色の髪が汗ばんだ白く細い肩にまとわりつき……背中からは小さな竜の羽が生えている。
「……オレの身体が……女に……うっ!」
胸に鋭い痛みを感じたディアスが胸を押さえる。平らかな胸に乳首が隆起し乳房が形成されていく。
「腹の奥が熱い……」
……ディアスは柔らかな手で汗ばんだ下腹部をさする……体内で生み出された魔力が肉体をより女性的に変化させるために全身を駆け巡る。
「大砲が……重くて持ち上げられねぇ……くっ!不味い……」
「……効いた効いた……可愛い女の子になった……フフフ」
オクタヴィアの攻撃を捌きながら金髪の女が怪しく微笑んだ。
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