第7話 接近中。

テオドールが去ったティールームにはアメリアだけが取り残された。


「私も帰ろう。」

アメリアも立ち上がってティールームを出ることにした。


ガラスでできたシャンデリア、宝石が散りばめられた首飾り、、廊下には色々なものが展示されている。


アメリアは(なんなのよこの家。歩くだけでもビクビクするわ。)と内心怯えながら廊下を曲がろうとした時、誰かとぶつかった。


「いったぁ〜い!!」

妙に甘ったるい少女の声が響いた。


アメリアは驚いてぶつかってきた少女を見た。

ぶつかった少女の正体は、、、【夏の終わり、あなたに恋する。】のヒロイン【マリア】だった。


(、、、、え?マリアの幼少期、、かわちぃ〜!?)

アメリアは悶絶した。


、、、だってだって、、ヒロインマリアの幼少期がこんなにも可愛いだなんて!!


ピンクの髪にふわふわの癖っ毛!ぱっちりした緑色の目に可愛らしいお洋服!!


可愛すぎるぅ〜!!


「、、、、マリア!?どうして、、、?ひどい、ひどいわ!!アメリア!!!」

突如、女性の怒鳴り声が聞こえてきた。


振り向くとそこにはマリアに似たピンク色の髪をくるりと巻いている黄色の目をした女性が立っていた。


女性はマリアの元に素早く走っていった。

「マリア!大丈夫!怪我してない?あぁあぁ、ごめんね。お母様が目を離しちゃったから、、。」


ん?お母様?

いま女性は自らのことをお母様と言った。

もしかして、、、?


「マリアベル様!?どうしたのですか?」

ぱたぱたと後ろから侍女たちがやってきた。


「っ、、、!?なぜ、アメリア様が、、。」


侍女がアメリアを見て驚いた表情をした。

なぜだろう?と考えているとアメリアは大事なことに気づいた。


侍女たちはさっきなんと言ったのだろうか。

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