第2話 フローレンス公爵家ニ
妻がいなくなったテオドールの元には毎日のように縁談や婚約話が舞い込んでいた。
テオドールは縁談や婚約話を全てゴミと見做していたため、妻の座は未だに埋まっていない。
そんなテオドールの様子を他の貴族達が『娘とベリンダのことがとても大事なんだ』と評価した。
しかし、使用人は知っている。
ベリンダと同様にテオドールはアメリアとも会話はしなかった。
それどころかアメリアと会ったことすらまだ無いらしい。
アメリア・フローレンスが三歳の時、急にテオドールがある一つの婚約話を受けた。それは【ベイリー侯爵家】の末娘【アマンダ・ベイリー】との婚約だった。
、、そう、テオドールはベリンダの義妹アマンダ・ベイリーと再婚したのだ。
この婚約は世間から不評を買った。
不評の原因は【アマンダの出生】にある。
実はアマンダ・ベイリーはベイリー侯爵家の養女だったのだ。
アマンダの生家は【リリアベル男爵家】。
公爵夫人の座に男爵家出身のアマンダが座ることに令嬢達は激怒した。
使用人達も一時期驚いたがアメリアが母親からの愛情を受けれるかもしれないと思い、少しホッとした。
春の終わり頃、アメリアがもうすぐ四歳になる頃にアマンダが公爵邸にやって来た。、、、一人の幼女も一緒に。
幼女の名前は【マリア・ベイリー】。
幼女が共に来ることは知らされていなかった公爵家は一時混乱した。
アマンダが言うにはマリアは男娼との間にできた娘らしい。
しかし父親は誰かわからない、とのことだった。
、、アマンダの供述を聞き、使用人達は絶句した。
アマンダがまさか夜遊びが激しい女性だったなんて。
アマンダが嫁ぐことに伴い使用人も換えられた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます